マーケティング教育の現場は「戦略」にどう向き合うべきか(八塩圭子×音部大輔)

昨年末の発売以来、版を重ねる音部大輔氏の書籍『君は戦略を立てることができるか』が、このほど日本マーケティング学会の会員が選ぶ「日本マーケティング本大賞2025」の準大賞を受賞した。
 
本書は、現場でマーケティングを日々実行しているマーケターや研究者だけではなく、幅広い読者が手に取っているのが特徴。東洋学園大学教授で現代経営学部長を務める八塩圭子氏もそのひとりだ。学生にマーケティングを教えながら感じいていた課題感解決へのヒントが本書にあったという八塩氏の視点は、著書である音部氏にも気づきを与えることとなった。

「戦略」こそが本業かもしれない

八塩

:このたびの日本マーケティング本大賞 準大賞の受賞、誠におめでとうございます。私には今、教員としての立場と大学運営に携わる立場がありますが、その両方の視点から『君は戦略を立てることができるか』には学ぶところが多くありました。

音部

:とても光栄です。たくさん付箋を貼られていますが、授業のためですか。

八塩

:ここは学生に見せよう、こういう視点から考えてみましょうと話すといいかな、など、読み進めて気づきのあった箇所に次々に貼っていきました。資源について書かれた紅茶の「リプトン」の事例が好きで、学生にこの部分を見せて「あなたがリプトンのマーケターだったら」と考えてもらおうかなとか、授業で活用するアイデアが多く出ましたね。

写真 人物 八塩圭子

八塩圭子(やしお・けいこ)/東洋学園大学 現代経営学部長
教授。上智大学法学部卒業。テレビ東京で経済部記者、アナウンサーを務めた後、独立。法政大学大学院経営学専攻修了。関西学院大学准教授、学習院大学特別客員教授を経て現職。専門はマーケティング、メディア。

 

その一方で、目的が明確か、「ポエム」になっていないかをチェックする「SMAC(スマック)」についての記述は大学運営の視点からも気づきがありました。

戦国武将の話が好きな人も“ハマる”でしょうね。私の夫(スポーツライターの金子達仁氏)がまさにそうで、大河ドラマも戦国時代のものが好みです。スポーツも戦略が重要ですし、兵法についても関心があるので、音部さんと合いそうです。

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宣伝会議 書籍編集部
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宣伝会議書籍編集部では、広告・マーケティング・クリエイティブ分野に特化した専門書籍の企画・編集を担当。業界の第一線で活躍する実務家や研究者と連携し、実践的かつ最先端の知見を読者に届けています。

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