早稲田大学ビジネススクールの川上智子教授は、2024年12月に刊行された書籍『君は戦略を立てることができるか』を周囲に勧めることが多いという。資源に着目し、ストーリーをつくり、成功や失敗から学びを得る……。日本企業が活性化するために必要なことについて、著者の音部大輔氏と話し合った。
ホチキスを資源と見ることができるか?
川上:「はじめに」に120分~180分で読めると書いてあり、あとがきのストーリーまで、音部さんの心遣いを感じる書籍でした。内容ももちろん素晴らしく、会う人会う人に勧めています。後世に残る名著だと思います。
音部:ありがとうございます。光栄です。
川上:日本を代表する大手も含め、さまざまな企業の方と接することがありますが、この本に書かれているような「戦略」の概念をもっとみんなが理解していれば良い方向に変わっていくのに、と思うことがあります。
今はあらゆる企業が中計(中期経営計画)や長計(長期経営計画)を立てていますが、これらは戦略ではなくて計画ですよね。KPIは設定されていますが、その根拠がないまま計画に入っていくところに日本企業の問題があると思っています。