丸亀製麺は2月20日、インターブランドジャパンが主催するJapan Branding Awards 2025において、最高賞となる「GOLD」を受賞したと発表した。
今回の受賞では、同社が掲げる「心的資本経営」を、理念やビジョンの提示にとどめず、経営構造の中核に組み込み、計測・循環・改善のプロセスまで設計し、業績に結実させた点が評価された。
抽象概念を “経営モデル” へ
Japan Branding Awardsは、2018年に創設された日本初のブランディングを評価する賞。ブランディングのナレッジプラットフォームとして、優れたブランディングを実行している組織(企業・団体、事業、製品・サービス)を評価し、その活動内容を紹介、社会に広く共有することで、ブランド戦略を展開する企業・団体のさらなる成長の支援をすることが目的だ。
丸亀製麵の選出理由としては、「『心的資本』という抽象概念を経営構造の中核に組み込み、計測・循環・改善のプロセスまで設計し業績に結実させた点」を挙げた。
同社では、約3万人の従業員の幸福度を「ハピネススコア」で定点観測。あわせて顧客の感動体験を可視化し、両者の相関を分析している。その結果、「EX(従業員体験)→CX(顧客体験)→業績」という因果構造を実装したという。
この取り組みにより、離職率の改善や採用志望動機の向上、新カテゴリー商品の拡大を実現。さらに2期連続で過去最高の売上・利益を達成した。インターブランドジャパンは、「感情を再現可能な資本へ転換し、幸福と収益を同時に増幅させた経営モデル」として高く評価している。
“人の力” を軸にした経営思想
「心的資本経営」は、トリドールホールディングスが掲げる新たな経営思想で、「従業員の “心” の幸せ」と「お客さまの “心” の感動」を共に重要な資本と捉え、持続的な事業成長を目指すもの。
丸亀製麺ではその実践モデルを「ハピカン繁盛サイクル」と定義。従業員の幸福度向上を起点に、顧客の感動体験を高め、その成果を従業員へ還元することで、再び幸福度が高まる好循環を形成する。
具体施策としては、「ハピカンオフィサー制度」の導入や「ハピカンキャプテン」の認定、「丸亀ファミリーナイト」の実施、従業員の子どもの食事を支援する「家族食堂制度」などを展開している。
ブランドと業績の同時増幅へ
インターブランドジャパンは、ブランド価値と業績を同時に増幅させた点について、「人的資本経営の次段階を示すもの」と評価した。
人的資本への投資が広がるなか、理念の掲示やKPI管理にとどまらず、因果構造として設計し、業績と結びつけられるかが問われている。丸亀製麺の受賞は、その実践例の一つとして位置づけられそうだ。
