東京コピーライターズクラブ(TCC)が主催する、コピーの最高峰を選ぶ広告賞「TCC賞」。その入賞作品と優秀作品を収録したのが『コピー年鑑』です。1963年に創刊され、すでに60冊以上刊行されています。今年1月には『コピー年鑑2025』が発売となりました。
広告クリエイターを目指す人や駆け出しのコピーライターにとっては、コピー年鑑は憧れの存在であり、教材であり、自らを奮い立たせてくれる存在でもあります。TCC会員の皆さんは、コピー年鑑とどう向き合ってきたのか。どう活用しているのか。今回は、2025年度のTCC新人賞を受賞した窪田倫明さんです。
地方にある小さな制作会社で働くコピーライターが、「コピー年鑑と私」でコラムを書くことなんて、あまりない。
過去回すべて見たけど、1人もいなかった。
なので、そういう会社ばかり綱渡りしてきた私だから書けることを書こうと思う。
制作会社の本棚には、コピー年鑑がある。
10年分くらいある。
私が渡り歩いた会社は100%そうだった。
素晴らしい会社ばかりだ。
ただ、そこに載っているコピーライターは会社にいない。
制作秘話が聞けない。
仕方なく私は、自宅にもコピー年鑑を10年分くらい揃えてみた。
素晴らしいおうちになった。
しかし、そこに載っているコピーライターはおうちでも見つからない。
やはり、制作秘話が聞けない。
あきらめて、想像することにした。
想像する。
企業は、埋もれちゃってる良い商品をどうにかしたくて、このコピーライターに相談した。
宣伝部の担当者は、着任したての前向きな人。
オリエンは、担当者の想いが溢れちゃった感じ。
想像する。
たぶんこんな課題があって、こんな壁にぶつかった。
コピーライターは、その課題に対して最初こういう切り口で考えた。
けど、ある時突然ぜんぜん違うことを思いついて、一気に突き抜け、この表現に辿り着いた。
想像する。
この広告たぶん、コピーライターはオリエン通り企画してないな。
自分で課題を見つけにいった感じがする。
プレゼンはこういう風にしたんじゃないかな。
想像する。
うーん、この業種の会社がこの広告を世に出す意義って何だろう。
あ、こういうことかも。
想像する。
シリーズを貫くフレームは、コピーライターがつくった。
CDじゃない。プランナーでもない。
だって言葉がこんなに生きてる。
想像する。
想像する。
脳の果てまで。
答え合わせできないけど。たぶん間違えてるけど。
想像は力になってくれた。
仕事を、想像したやり方でやってみる。
失敗する。また失敗する。次はうまくいく、はずが失敗する。
でも、こういうことだったのか、と思える瞬間が必ずくる。
その時、いいコピーが書けている。
簡単に得た知識って、簡単に忘れません?
もしもあなたが、似た境遇で日々もがいてるなら、それはたぶん、すごくチャンスです。
