フジテレビのほうが“マシ”だったか 小学館問題で問われた「報じる側」の責任、自社媒体での扱いも焦点に

小学館をめぐる2件の人権問題では、個別事案の内容だけでなく、企業としての説明責任や組織文化そのものにも注目が集まった。3月に同社が相次いで公表したのは、マンガアプリ「マンガワン」での作家起用をめぐる問題と、「週刊文春」2026年3月19日号が報じた元従業員の不適切行為に関する件だ。

いずれも被害者への謝罪と再発防止の方針を示したが、東北大学特任准教授で、アステリア執行役員コミュニケーション本部長の長沼史宏氏は、小学館が一般企業以上に厳しく見られる背景には、同社の社会的役割と企業体質の問題があると指摘する。

2025年1月27日のフジテレビ会見

2025年1月27日のフジテレビ会見

マンガワンをめぐっては、2020年2月に「堕天作戦」作者の山本章一が児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)容疑で逮捕され、連載が中止となっていた。その後、小学館によると、マンガワン編集部は2022年から山本を別のペンネームに変更したうえで、新連載「常人仮面」の原作者として起用していたという。

もうひとつの元従業員の件では、2018年に取引先従業員に対し、取引関係上の優位性を利用した状況のもとで性的な行為を求め、その後も不謹慎な連絡をしていたと説明している。

2020年に被害者から刑事告訴を受けて事案を把握し、被害者や関係者に謝罪した。不起訴処分となった時点で専門家の意見も踏まえて処分し、その後、2025年には同一従業員による別の不適切な行為が明らかになり、本人が責任を認めて退職したとしている。

長沼氏がまず重く見ているのは、小学館という企業の成り立ちだ。小学館は1922年創業で、2022年には100周年を迎えた。もともとは子どもの教育に関わる出版からスタートした企業であり、社名そのものにも教育的なニュアンスがある。長沼氏は、そうした企業である以上、子どもに対する性加害をめぐる問題については、どの企業でも許されないことを前提としつつも、事業領域や社会的役割を踏まえれば、より強い姿勢と断固たる態度を示す必要があったとみる。

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