「映像から未来を作る」というビジョンを掲げ、クラウド録画サービスを展開するセーフィー。同社はカメラというデバイスを入り口としながら、「映像プラットフォーム事業」の拡大で急成長を続けてきた。2021年9月の上場後、積極的な先行投資フェーズを経て、2025年12月期には通期での黒字化を達成。
次なる成長フェーズへと向かう今、同社は投資家をはじめとするステークホルダーに、財務情報だけでは測れない企業価値をいかにして伝えているのか。また、その価値観は社内にどう浸透しているのか。
同社のIR活動を牽引する、経営管理本部 経営企画部長 兼 VP of Financeの佐竹祥治氏と、IRグループ グループリーダーの池上紗耶香氏に戦略を聞いた。
「映像×プラットフォーム」を核に連続成長
セーフィーのビジネスモデルは、顧客にカメラなどのハードウェアを販売する「スポット収益」と、撮影した映像をクラウドで利用できるサービスを月額課金で提供する「リカーリング収益」の2つから成り立つ。創業当初はBtoCから始まったが、現在はBtoBに主軸を移し、小売業や建設業が主要顧客だ。佐竹氏は「労働人口が減少する社会背景の中、防犯目的だけでなく、店舗における遠隔臨店や建設現場の遠隔施工管理といったニーズに合致し、急成長した」と振り返る。
労働力不足といった社会ニーズに合致したサービス・価値を提供
上場時の資金100億円を戦略的に投下し、組織基盤を最優先で構築した。2025年12月期、拡大した顧客基盤と取引量が売上・粗利を大きく押し上げ、先行投資コストを吸収。通期での黒字化を達成した。
通期黒字化という節目を迎え、佐竹氏は「社内では一定の安心感が広がったのではないか」と推察する。しかし、黒字化の後は、その上でいくら利益を成長させていくかが問われる。基本的なスタンスは変わらず、市場を創造し、顧客に価値を届けるための積極的な投資は今後も継続していく方針だ。
黒字化の先に見る「非財務価値」の伝え方
そうした中、同社がIR活動で重視しているのが、抽象的な戦略を具体的な事例に落とし込み、投資家にとって理解しやすい「手触りのあるストーリー」に変換することである。戦略を語る際には、現場での導入事例をセットで示すことを徹底している。プロダクトが実際に現場をどう変えたのかを具体的に伝えることで、ハードウェアとソフトウェアが組み合わさった複雑なビジネスモデルを、わかりやすい価値として届けているのだ。
