「あの日、手を振ってくれてありがとう。笑ってくれて、ありがとう。九州新幹線、全線開業します。一つになった九州は、日本は楽しくなるはずです」
九州新幹線が全線開業した2011年3月、たった3日間だけ、九州だけで放映されたCMが15年ぶりにJR九州の公式YouTubeアカウントに投稿された。開業を華々しく祝うCMだったが、東日本大震災の発生を受け、自粛。放映は打ち切られたが、CMに集まった人々の笑顔や一体となる映像が反響に反響を呼び、これまでも複数のアカウントで拡散されてきた。再生回数は公開から1日で6万回を超え、「泣ける」「やっと祝えるね!」などSNS上にはたくさんの投稿が寄せられている。JR九州、そしてCMを手掛けたクリエイティブディレクターの東畑幸多さんに思いを聞いた。
公式アカウントに投稿された15年前のCM
放映開始は2011年3月9日。3月12日の全線開業を盛り上げようと制作したCMだった。カメラを搭載した列車を鹿児島中央駅から博多駅まで運行し、沿線に集まった人々を撮影。「新幹線を長年待ち望んでくださった地域の皆さまと一緒に祝い、喜びを分かち合いたい」(JR九州)と制作したCMだったが、開業前日の3月11日に東日本大震災が発生し、放映中止を決定し、開業イベントも中止した。自粛ムードが続き、CMが復活することはなかったが、ネット上で「元気づけられる」「勇気が出る」など大きな反響は続いた。
動画の一場面
今年、全線開業15周年という節目に、同社ではプロジェクトを展開。今回のCMの投稿については、知っている人には思い出してほしい、知らない世代には魅力を感じてほしい、との思いからだった。すでに反響についても把握しており、「『懐かしい』『また見られるのがうれしい』といったコメントを多数いただいており、大きな反響を感じております」と喜んでいる。
沿線に集まってくれた人の笑顔や手を振る姿には、九州の温かさと地域の力があふれ、一瞬一瞬をつないでつくり上げたCMだった。JR九州の担当者は「CMを通じて、九州の一体感や温かさ、地域とともに歩んできた九州新幹線の原点を、これからの世代にも伝えていければ」と話している。
