クオカード ブランド・マーケティング部 マーケティングマネージャー 上田 寛人氏
価格の安さの先にある「価値」を見抜く目利きたち
―昨今の物価高により消費者の意識は大きく変化しています。
先の衆院選でも「物価高対策」が大きな争点となり、節約志向が高まっていると言われますが、購買の現場に目を向けると、単に「安い」、「お得」というだけでは動かない層が確実に増えています。私たちは、そうした彼らを「スマート・ショッパー」と定義しました。スマート・ショッパーとは、情報が氾濫する中でも情報を取捨選択、さらには吟味する層。つまり、情報を味方につけて“賢く価値を選べる人”と言えると思います。
彼らが重視するのは「コストパフォーマンス」であり、単なる「価格の安さ」ではありません。「価格に対して、得られる価値や体験が見合っているか」を厳格に判断できる目利き力を持っているのが特徴です。
―「スマート・ショッパー」という存在に気づいたきっかけは何だったのでしょうか。
私たちが運営する「QUOカードPay」のオウンドメディアでのユーザーとのやり取りがきっかけでした。「QUOカードPay」のオウンドメディアとはキャンペーン情報を中心に発信しているSNSやメールマガジンで、XやLINEなどを合わせた総フォロワー数は約400万名に及びます。
これらの各メディアを当社の社員が内製で運用しているのですが、「QUOカードPay」を使った企業のプレゼントキャンペーンを告知すると、条件の設計や文章に対して、ユーザーから非常に的確なご指摘をいただくことが多々あります。例えば、誤解を招きそうな細かい規約の表現など、プロ顔負けの視点でチェックが入る。これは、ユーザーが情報を漫然と受け流すのではなく、自分にとって有益かどうかを真剣に吟味している証拠だと感じています。
このオウンドメディアはもともと「QUOカードPay」という商品の認知を広げ、ユーザーとの接点を持つために始めたものでした。
2020年頃からキャンペーン情報の提供を中心に発信をし続けた結果、ユーザーの皆さんが他のキャンペーンにも、継続して参加いただくようなサイクルができています。
また最近の傾向として、整いすぎた広告バナーよりも、手づくり感のあるチラシのようなデザインの方がクリックされるといった現象も起きています。これは、ユーザーが「広告」というフィルターを透かして、その奥にある実質的なメリットをダイレクトに探しに来ているのだと考えています。
図表 能動的な行動喚起を設計するキャンペーンの例(クオカード提供)
「QUOカードPay」のキャンペーン活用は、商品購買を直接的に促す施策に限らない。登録・参加・理解促進など、生活者の行動喚起を目的に活用されている。上記は、最近の「QUOカードPay」を活用したキャンペーンの一例。
―オウンドメディアにはどのような属性の方々が集まっていますか。
デモグラフィック属性で見ると、実は地域や性別などは日本の人口動態に非常に近い分布をしています。特徴を挙げるなら、購買力を持った「大人世代」が中心であること、そして若干女性の比率が高いことくらいでしょうか。突出した偏りがないからこそ、ここで情報を発信する意義は大きいと考えています。
面白いのは、彼らが「節約志向の縮小均衡型」ではないという点です。無駄なものには一円も払いたくない一方で、自分が価値を感じるもの、賢い消費だと納得できるものに対しては驚くほどアクティブに反応してくださいます。
―企業がスマート・ショッパーにリーチするメリットを教えてください。
現代のマーケティングにおいて最大の課題は、ファネルの中でもミッドファネル部分でいかに態度変容を起こすか、だと考えています。認知はしているけれど、比較検討の段階で止まっている層です。この層を動かすには、売り込み色が強い広告手法より、あえて「能動的に考えてもらう材料を提供する」という手法が有効かと思います。
スマート・ショッパーはいわゆる「ポイ活」に熱心な層とも少し異なり、ポイントを貯めること自体が目的ではなく、自分の生活を豊かにするためのひとつの手段として使いこなし、納得感のある消費に対しては非常にアクティブに動く傾向があります。企業がQUOカードPayのオウンドメディアを活用することで、これまで社会的に顕在化しづらかったこの「賢い検討層」に効率的にリーチし、ミッドファネルでの態度変容を促すことができます。
ただし、ギフトはあくまでも「商品/サービス本来の魅力や価値を後押しするもの」。QUOカードPayがもらえるという「お得さ」は、ひとつの付加情報にすぎません。本来その商品やサービスが持っている魅力に対し、QUOカードPayをアドオンすることで、その価値をより強く「追加体感」してもらうことが私たちの狙い。商品そのものが魅力的であることを前提に、最後の「試してみよう」という一歩を後押ししたいと考えています。
―単に「お得感だけを訴求する」のではなく、提案の誠実さが問われるということですね。
その通りです。消費者のリテラシーは確実に向上しています。嘘や曖昧さはすぐに見抜かれますが、誠実で価値のある提案には驚くほどの熱量で応えてくれる。物価高の時代だからこそ、こうした「スマート・ショッパー」との深いコミュニケーションを築くことが、企業の長期的なブランド価値強化につながるはずです。

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株式会社クオカード ブランド・マーケティング部
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