津田健次郎の訴訟で「AI音声」に逆風…“ではない” 梶裕貴、山寺宏一ら声優も期待する “AI多言語化”、権利保護団体も活性化

生成AIによる「声」の無断利用をめぐる議論が、広告・マーケティング領域にも広がっている。声優・津田健次郎が、自身の声を生成AIで無断に模倣したナレーション付き動画がTikTokに180本以上公開されたとして、TikTokの運営会社に動画削除を求め、東京地裁に提訴したことが報じられた。

生成AIの普及により、声優やアーティスト本人の許諾を得ないまま声を模倣し、動画や音声コンテンツとして流通させるリスクが顕在化する一方、AI音声そのものに期待を寄せる声優も少なくない。

声優本人の許諾を前提に、声質や演技のニュアンスを保ったまま多言語化できれば、日本のアニメや広告を海外に届ける新たな手段になり得るからだ。そこで、注目されているのが、「声の権利保護」と、企業がAI音声を安全に活用するための仕組みづくりだ。

「声の海賊版対策」と多言語化を掲げるVIDA

2025年11月19日に実施した「声の保護と多言語化協会」(VIDA)のキックオフ記者会見。「それいけ!アンパンマン」メロンパンナ役などで知られる「かない みか」氏(本名:金井美香)も登壇

こうした課題に対応する動きとして、2025年に発足したのが「声の保護と多言語化協会」(VIDA)だ。同協会は、音声AI技術を活用してアニメやドラマの多言語展開を推進するとともに、声優・アーティストの「声の権利」を守ることを目的としている。

VIDAには、音声AIサービスを提供するElevenLabsに加え、81プロデュース、area358、日本音声AI学習データ認証サービス機構(AILAS)が協業する。本人の許諾を前提にした音声利用のルールづくりや、正規の音声AI活用を進めている。

具体的には、声の無断使用や不正利用への対策として、AI音声に電子透かしを付与し、正規の利用であることを示す仕組みを構築する。あわせて、本人の声質を保ったまま30言語以上に多言語化する事業を掲げ、声優、アーティスト、芸能事務所、メディア、民間企業、制作会社、行政などを支援する。

キックオフ以降は、総務省の「実写コンテンツ展開力強化官民協議会」への参画や、千歳市空港開港100年に向けた取り組みへの協力などにも活動を広げている。

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