ファンベースカンパニーのファン総合研究所は2月に、インテージと協業し、スポーツ領域における「好き」を可視化する調査「スポーツファン調査2026」を実施した。スポーツビジネスでは経済効果が語られやすい一方、ファン心理を捉えた研究は少ないという課題意識が背景にあるという。
調査では、各プロリーグの認知は7〜9割に達する一方、「好き(好意)」は2〜4割にとどまり、“知っている”と“好き”とのギャップが浮き彫りになった。例えば、日本のプロ野球は認知91.7%に対し好意37.7%、サッカーJリーグは認知88.8%に対し好意23.7%、ラグビー・リーグワンは認知74.8%に対し好意13.0%だった。
地域性が強いJリーグ。リーグワンは競技観戦そのものが魅力に
同研究所所長の佐藤佳奈氏は、リーグごとに異なる「好きになったきっかけ」の構造があることを指摘する。調査では、野球は4割弱、サッカーは5割弱が「地域」をきっかけとして回答した一方、ラグビー(リーグワン)は3割弱にとどまった。
佐藤氏は、リーグワンは企業スポーツ色が強かった歴史的背景もあり、地域性の強さが前提になりにくい面があると補足した。代わりに、リーグワンでは「試合観戦そのもの」や「チームの成長を見守りたい」「プレースタイルが好き」といった、競技体験や観戦価値に紐づく理由が目立った。
露出が圧倒的なプロ野球。
リーグ差は「接触」の面でも表れた。野球は地上波放送などにより接触機会が大きく、結果としてメディア接触時間が長くなりやすい。過去1年のテレビ視聴経験はプロ野球が約4割、サッカーは約2割程度と佐藤氏は補足した。一方で、視聴時間や接触時間は試合数・試合時間といった外部要因の影響を大きく受けるため、単純比較は難しいとも指摘する。
こうした“競技構造や露出環境の差”があるからこそ、ファンの熱量を捉える際には視聴時間のような指標だけに依存しない考え方が必要になる。佐藤氏は、熱量の分析では「ファン度(コアファン/ファン/ライトファン)」を用いると説明した。これは「好きの度合い」と「応援し続けたい意向」を掛け合わせた指標で、スポーツに限らず企業のファン調査でも同様の枠組みを活用しているという。
