世界の広告費、予測より1年早く1兆ドル突破 検索広告は鈍化、伸びるリテールメディアとコネクテッドTV

電通グループは5月27日、世界56市場のデータをもとにした「世界の広告費成長率予測」の最新版を発表した。同予測では2025年の実績、2026年・2027年の予測を扱っている。

2025年の世界の広告費は前年比5.8%増となり、初めて1兆ドル(約159兆円)を突破した。2026年の世界の広告費は前年比5.0%増の1兆600億ドル(約169兆円)となる見通し。デジタル広告が引き続き市場をけん引する。

1兆ドル突破は1年前倒しに

2025年12月時点では、世界の広告費が1兆ドルを超えるのは2026年と予測していたが、今回の発表では1年前倒しでの到達となった。成長率ベースで見ると、2025年6月時点の2025年予測は4.9%、同年12月時点では5.5%、今回発表された実績値では5.8%となった。広告市場は想定を上回るペースで拡大したことが分かった。

大型イベントが2026年の広告需要を下支え

2026年の世界の広告費成長率は5.0%と、前回予測の5.1%からはわずかに下方修正した。ただ、同社はサッカー・ワールドカップ2026、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック、米国中間選挙をはじめとする各国の選挙などの大型イベントが広告需要を下支えすると見込んでいる。地域別の成長率予測は、米州(南北アメリカ)が4.8%、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が3.6%、APAC(日本含む)が5.9%となっている。

伸びるリテールメディア、鈍化する検索広告

媒体別では、デジタル広告が2026年に世界の広告費全体の69%を占める見通し。中でもリテールメディアは前年比12.3%増(2027年は前年比11.4%増)、コネクテッドTV(インターネット対応テレビ)も11.5%増と高い伸びが予測されている。

一方、動画広告全体では5.1%の成長を予測している。コネクテッドTVとデジタル動画が成長をけん引する一方、リニアTV(リアルタイムで配信・放送される従来型のテレビ放送)は横ばい(0.0%)となる見通しだ。

また、検索広告の成長率は3.4%へ鈍化する見通しだ。2025年6月時点では、「サーチ」は2025年に8.3%増と高い成長領域の一つに挙げられていた。一方、今回の2026年予測では、AIの進化や、ECサイト上のリテール検索、SNS検索の台頭により、検索環境そのものが変化している点が指摘されている。

業種別では、政府・社会・政治・団体が12.8%増、テクノロジーが12.5%増、飲料が10.9%増、メディア&エンターテインメント(6.4%増)が高い伸びを見込む。さらに同社は、AIや自動化技術の進展により、2028年までに広告費全体の75%がアルゴリズム主導になると試算している。

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