社員の幸せを重視する企業の共通点を分析 近畿経産局、人的資本可視化ツールを開発

経済産業省・近畿経済産業局は2026年5月21日、「社員の幸せ」を経営の中心に据える企業の特徴を分析したレポート「BE THE LOVED COMPANY REPORT 4.0」を公表した。あわせて、人や組織の状態を可視化する「人的資本相関可視化ツール(ver.1.0)」を開発。モデル企業10社を対象に調査した結果、社員の幸せや成長と組織のあり方との相関関係が確認された。

非上場の中堅・中小企業の実践事例を可視化

同局は2022年度から、人を価値創出の源泉と捉え、社員の幸せを最大の目的とする経営実践を研究する「BE THE LOVED COMPANY PROJECT」を推進している。これまで70社を超える中堅・中小企業の協力を得ながら、人を中心に据えた経営のあり方を探ってきた。

背景には、人手不足の常態化や地域企業を取り巻く環境変化がある。人的資本経営への関心が高まる一方、非上場の中堅・中小企業では人的資本に関する情報開示の機会が限られており、実践事例や成果が可視化されにくいという課題があった。そこで同局は、企業の組織状態を把握し、内省や対話につなげるためのツール開発に取り組んだ。

プロジェクトへの共感・共鳴の輪をさらに広げる

開発した人的資本相関可視化ツールを活用し、モデル企業10社を対象に定性・定量の両面から調査を実施。その結果、「組織のあり方」や「仕事のあり方」に関する指標が、社員一人ひとりの幸福感や成長実感に関わる多くの項目と広く正の相関を持つことが確認された。

また、経営成果を示すアウトプット指標についても分析したところ、調査対象企業は経済資本と人的資本の両面で中小企業全体の平均を上回る傾向が見られたという。

レポートではさらに、4社のモデル企業についてケーススタディも掲載。サーベイ結果の読み解き方や、組織の状態をどのように改善につなげるかについても紹介している。

近畿経済産業局では、人的資本相関可視化ツール(ver.1.0)をアップデートし、経営の道標として、より多くの企業や支援現場に広げていくことを目指す。

また、プロジェクトへの共感・共鳴の輪をさらに広げ、関西を起点に日本の中堅・中小企業における人的資本経営の実践と浸透を実現するとしている。

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