改札を出たら展覧会情報が届く JR東日本、藝大連携で上野駅を“街歩きの入口”に

JR東日本は、東京国立博物館や東京藝術大学、浅草などへの玄関口である上野駅を「文化創造HUB(ハブ)」と位置づけ、駅構内の施設拡充や地域と一体となった街づくりを進めている。構内に新設した大型LEDビジョンや利用の少ないホームを活用し全長約100メートルにわたって街の魅力を伝える映像を投影するほか、ギャラリー、デジタルスタンプラリー、Suicaのタッチ情報と連動した情報配信などを組み合わせ、駅に人を呼び込み、街へ送り出す構想だ。

幅23メートルでJR東日本最大級の大型LEDビジョン「UENO CANVAS」

幅23メートルでJR東日本最大級の大型LEDビジョン「UENO CANVAS」

施策の背景には、駅の役割の変化がある。JR東日本 マーケティング本部 まちづくり部門 開発戦略ユニット ユニットリーダーの木村一哉氏は、これまでの駅づくりについて「移動者のニーズに応える形で駅のありようを考えてきた」と説明する。一方で、コロナ禍を経て「街の視点から、その地域で駅にどのような機能が求められるか」を考えるようになったという。上野駅は、駅を「電車に乗る場所」にとどめず、街と人をつなぐ拠点へ広げるJR東日本の「Beyond Stations構想」のモデル駅のひとつに位置づけられている。

駅を「丸ごと」情報発信の場に

特定の電車のみが利用する13番線の壁面約100メートルにわたって映像を投影する

特定の電車のみが利用する13番線の壁面約100メートルにわたって映像を投影する

グランドコンコースに新設した大型LEDビジョン「UENO CANVAS」は、幅23メートルの横長の画面を生かし、上野の街の魅力や歴史、芸術文化を表現する映像などを放映する。

木村氏は、上野駅を「街の玄関口」としたうえで、「情報発信が非常に重要」と話す。UENO CANVASだけでなく、駅構内のスペースなどを活用し、「丸ごとメディア」として駅全体での情報発信や広告展開も視野に入れる。

木村氏は、広告も「街への情報発信」の一部として捉える。国内外の来訪者に、日本の商品や文化、上野の魅力を知ってもらう接点として、駅のメディアを活用する考えだ。

東京藝術大学と連携、駅を文化に触れる場へ

構内の作品には QRコードが設けられ、東京藝術大学の教授らが携わった解説映像を見ることができる

構内の作品には QRコードが設けられ、東京藝術大学の教授らが携わった解説映像を見ることができる

上野駅の文化発信では、同地にキャンパスを置く東京藝術大学との連携も重要な柱としている。

上野駅交番跡地をリノベーションして設置されたギャラリーでは、若手作家や卒業生の作品展示などを通じて、駅利用者が日常の移動の中で芸術に触れる機会をつくっている。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事