AI量産時代の「共感回帰」!? 生活者の広告嫌悪を突破する、SNS動画の「カウンターパンチ」戦略

コンテンツが溢れ、企業広告がより一層見られにくくなっている今、どうすれば目に留まり、愛されるブランドになれるのでしょうか。

今回は、TikTokのクリエイティブアワード審査員も務める横山昴氏が、ショート動画を「鋭く再現性の高い武器」に変えるための実践的アプローチを解説。見た人に強烈なインパクトを残す「カウンターパンチ」のレシピを公開します。

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僕は、日々のクリエイティブワークにおいて、マス・デジタル・リアルを線で繋ぐコミュニケーションの設計図を引いている。かつてはSNSやYouTubeの配信結果と睨めっこしながら動画を作ることが仕事の主軸だった僕も、今ではタレントを起用したマス向けのCMを手がけたり、IPとのコラボレーションを通じて、特定の「界隈(熱量の高いコミュニティ)」へお邪魔するようなクリエイティブを作る機会が増えた。

数年にわたり同じブランドの成長にクリエイティブ責任者として携わらせてもらっていると、2026年現在の情報環境において、「すべてを統合してコントロールする」という考え方には限界があると感じている。それは、生活者が受け取る情報密度が極限まで高まり、彼らの限られたアテンションを巡る奪い合いは、「異種格闘技戦」のようになっているから。

この戦いを制する鍵は、熱狂を生む「界隈のエコシステム(ファンダム)」を理解し、クリエイティブに活かすこと。この考えに至ったのは、「マルチチャネルジャーニー」でクリエエイティブを考えることが今後さらに求められると現場で感じたからである。

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ここで、なぜ今「ショート動画」の作り方を学ぶべきなのか。それは、ショート動画が2026年もっともと言っていいほど生活者の可処分時間を奪っており、アルゴリズムによって最適な界隈へピンポイントでアクセスできるから。ショート動画は、今の我々にとって鋭く、再現性の高い武器じゃないか?

ここからは、我々クリエイターが持つべき「3つの打ち手(ストレート、フック、カウンターパンチ)」を、現在の環境に合わせて整理したい。

1. 「ストレート」:マス広告で企業の伝えたいことをまっすぐ伝える

クリエイターによって自由で手触りのあるSNSコンテンツが溢れかえる現代において、逆説的にテレビCMのような決められた枠(15秒・30秒)の中で、作り込まれた「ストレート」な表現の重要性を改めて感じている。ダジャレではないが、マス広告で、まっすぐ企業が言いたいことを伝える。

僕自身、以前はデジタル広告のパフォーマンスとの対比でテレビCMを捉えることが多かった。しかし、ブランドの権威付けという点において、ターゲットの最大公約数が共感でき、「ストレート」で汎用的なクリエティブこそが、代替不可能な資産になることを業務を通じて知った。

2.コンテンツの隙間に入り込み深い興味を惹きつける「フック」

5秒のスキップボタンやフィードのスワイプアップが当たり前の時代。それでもこの「フック」の広告クリエイティブは必要である。それは、情報の受け取り方が「受動」から「能動」へと完全に切り替わったから。

ストレートをそのままフィードに流すと「単なる情報」として取られ、残念ながら見られない可能性もある。そこで、広告を「機能の説得」ではなく「体験の共有」へと“翻訳”すると、なんだか今っぽくなり広告を「エンタメ(コンテンツ)」の1つとして感じさせることができると気づいた。

そのフックを作るコツの1つとして、動画のコピー最初の一文は、本屋のランキングコーナーを参考に型化して書いている。「売れる本」と「見られる動画」には3つの共通点があり、1つは、「説明」ではなく「問い」から入っていること。ベストセラーは読者の頭の中にある「当たり前」を否定するタイトルになっていて、動画は視聴者の日常にある「違和感」を描いて先を気にならせている。このテクニックや、残る2つのコツも本講座で話をしたいと考えている。

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