AI推進委員長が最高AI責任者へ着任
MIXIは7月31日、全社のAI戦略を統括するCAIO(最高AI責任者)を新設し、取締役上級執行役員の村瀨龍馬氏が8月1日付で就任すると発表した。
同社は、全社横断組織「AI推進委員会」を中心に、開発部門だけでなく、事業部門やコーポレート部門でもAI活用を進めてきた。全社のAI活用率は99%を超え、年間約10億円規模のコスト削減を実現したという。CAIOの新設により、今後はAIの利用拡大から、AIによる事業価値の創出へ軸足を移す。
村瀨氏は現在、AI推進委員会の委員長を務めている。CAIOには、全社AI戦略の策定・推進、AIを活用した事業価値の創出、AIガバナンスの統括、AIネイティブな組織・人材基盤の整備などに関する最終責任を持たせる。
部門横断のAI投資、CAIOが優先順位を判断
CAIOの新設によって、村瀨氏の権限や意思決定の範囲は具体的にどう変わるのか。
AdverTimes.の取材に対し、村瀨氏はAI推進委員長に加え、全社AI戦略の統括責任者として、各部門で生まれる取り組みを束ね、事業価値へ転換するための意思決定や推進を担うと説明した。AIガバナンスやAI人材、組織基盤の整備についても、経営レベルで統括する。
AIの導入は、技術やデザインだけでなく、セキュリティ、法務、人事など複数部門にまたがる。これまでは部門ごとの判断では意思決定が遅れるケースもあったという。
「CAIOは、部門横断のテーマについて、全社最適の観点からAI投資の優先順位や推進方針、AIガバナンスに関する判断を行い、意思決定のスピードを高める役割を担います」としている。
2026年3月に開催された「MIXI MeetUP! AI DAY2026」に登壇した同社CAIOの村瀨氏
「AIを導入したか」ではなく、事業KPIで評価
今後、AI活用による成果は、どのような指標で測るのか。現時点でCAIO固有の指標は公表していないが、村瀨氏は事業価値に関する代表的な評価軸として、2つの観点を挙げた。
一つは、AI施策が売上や利益など、事業の数字を実際に動かしたかどうかである。これまではコスト削減を中心に成果を測ってきたが、今後は個々の施策が事業KPIに与えた影響を検証する。
「『AIを導入した』ではなく、『AIを導入して、事業のKPIがどれだけ動いたか』で見る、ということです」と村瀨氏は説明する。
もう一つは、AIによって「人と人の間で起きる行動」がどれだけ増えたかという、MIXI独自の評価軸だ。
アプリの利用者数や利用時間だけでなく、友人を誘って一緒に遊ぶ、家族で写真やコメントを送り合うといった、人同士がつながる行動の増加も成果として測る。同社が掲げる「心もつながる」コミュニケーションを、数値として捉える考えだ。
