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コラム

ジブンと社会をつなぐ教室

ジブンがいちばんジブンを知る

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大来優(アートディレクター)

わたしは大学生になるまで、ぜんぜん友達がいませんでした。
とにかくコミュニケーションが成立しませんでした。
たくさん、ひどいこともしたんじゃないかと思います。

今思うと、ジブン自身のこともよくわかってないのに、ジブン以外の人間が地球にこんなに大量にいて、どう接していいかぜんぜんわからなかったのだと思います。

高校生のある日、思い切って母親に「ジブンはなんのために生まれたんですか」と聞いたところ、「ジブン以外の他人の為に生まれた」と言われました。そのとき、ジブン以外にジブンを考えてくれてる人の存在をおおきく実感しました。

そのことを知ってから、わたしがもっとジブンを知らなくては他人に何もできないのではと思いはじめるようになりました。ジブンを知らないから、どうしていいかわからないのだな、と。

わたしは美大出身なので、アートディレクター採用で電通を受けました。
そのなかにポートフォリオをつくるという試験があります。
これは「ジブンはこんな人です。こんなことができます」というのを一回見ただけでわかってもらえるように、1つのブックにまとめる、というものです。
わたしはこの試験をうけたときのことをよく思い出します。

ジブンをいちばん知ってるのはジブンです。
同時にそれをなかなか考える機会もすくない、とも思います。
ジブンをいちばん知ってあげれるのはジブンです。
の方が正しいかもしれないです。

でも、知らないと相手に知ってもらえないです。仲良くなれないです。

相手にとってジブンがどうおもわれるのか、なにをしてあげれるのか、
よく考えるようになれてよかったと、思っています。
今ではたくさん友達もできました。

次回は24日に掲載します。

大来優(アートディレクター)
2008年、東京藝術大学美術学部卒業後、電通に入社。クリエーティブ局のアートディレクターとしてHonda、東京FM、東京ガスなどを担当。カンヌ国際クリエーティブフェスティバル金賞、アドフェスト、 読売広告賞、毎日広告賞など受賞多数。

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