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2012ADCグランプリは、ホンダ「負けるもんか。」

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東京アートディレクターズクラブ(ADC)による「2012ADC賞」が4日発表となった。本年度の応募作品数は8423点。震災後の広告・グラフィック作品が対象となったため、減少が懸念されたが、11年度の8311点を上回る結果となった。本年度グランプリを獲得したのは、本田技研工業「負けるもんか。」のポスターとコマーシャルフィルム。会員賞を受賞したトヨタ自動車「ReBORN」のコマーシャルフィルムとの決戦になったという。

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ADCグランプリ 本田技研工業「負けるもんか。」

歴代のホンダの名車が一つずつ映し出され、本田宗一郎の言葉「負けるもんか。」をコピーに冠したこの広告は、今年4月にローンチした企業広告の一つ。テレビCMの放映後、Youtubeにアップされ、ネット上で広がり、「負けるもんか。」というコピーが多くの人の共感を得た広告だ。「震災から1年経た現在、2012年のADCとしてのグランプリは何かと審査員みなで熟考した。その中で、この広告はシンプルなアイデアながらそれを伝える表現と技術の力があるだけではなく、ホンダという企業のものづくりのスピリットを伝え、そのメッセージが多くの人の共感を呼んだ。制作者の意識の高さを感じる広告だった」点が高く評価された。

審査全体を通して、細谷巖ADC会長は「アートディレクターという職業の理念がこれまでより固まってきているのを感じる。作り手に職業として、生活者として、これまで以上にいいものをつくらなくてはいけないという意識が、どの作品にもあふれていた。震災後、この国をもっと良くするために、僕らの仕事があると各人が考えさせられた1年だったのではないか」と話した。

各受賞作品は以下の通り。7月28日まで会員作品はギンザ・グラフィック・ギャラリーで、グランプリ作品を含む一般作品はクリエイションギャラリーで展示されている。

ADC2012_受賞者

左から、グランプリを受賞したアートディレクター 河合雄流さん、ディレクター 牧鉄馬さん、コピーライター藤本宗将さん。この広告で受賞したアートディレクターの河合雄流さんは、大成建設の新聞広告でもADC賞を受賞。初のADC受賞がダブル受賞となった。「ただ“がんばれ”というのではなく、“負けるもんか。”というメッセージを出したことが、いまの時代の気分がすごくマッチし、多くの反響を得られたのはありがたかった」と話した。

ADC2012_会場

「負けるもんか。」のポスターの掲出はクリエイションギャラリーG8に。展示会場のみの掲出だったため、一般的に公開されるのは今回が初めてとなる。

ADCグランプリ

本田技研工業「負けるもんか。」のポスター、コマーシャルフィルム  
河合雄流、牧鉄馬、藤本宗将、内田将二

HONDA

ADC賞

ソニー「3Dブラビア Perfect World」のコマーシャルフィルム
小松洋一、井口弘一

ステッドラー日本「企業広告」のポスター、ブック&エディトリアル、コマーシャルフィルム   
八木秀人

良品計画「無印良品キャンプ場」のポスター、グラフィックデザイン
新村則人、マイケル•フェザー

旭化成ホームズ「ヘーベルハウス」のポスター
権田雅彦、磯島拓矢、瀧本幹也

グーグル「Google Puzzle」のポスター
小栗卓巳

飛騨産業「飛騨」のグラフィックデザイン
富田光浩、牧野伊三夫

マジックタッチジャパン「CINDERELLA」のグラフィックデザイン
榮良太、小林幹也

大成建設「企業広告」の新聞広告
河合雄流

NOLLEY’S、山田章博•京子「house of light」のグラフィックデザイン
目時綾子

平凡社「本 TAKEO PAPER SHOW 2011」のブック&エディトリアル
色部義昭

ADC会員賞

トヨタ自動車「ReBORN」のコマーシャルフィルム
佐々木宏、前田良輔
ADC制作者賞  福里真一、東畑幸多、瀧本幹也

国立科学博物館「縄文人展」のポスター、ブック&エディトリアル
佐藤卓
ADC制作者賞 上田義彦

クリエイションギャラリーG8、資生堂「澁谷克彦グラフィックデザイン展」のポスター、環境空間
澁谷克彦

原弘賞

エイベックス・マーケティング「commmons: schola」のブック&エディトリアル
中島英樹