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米国流O2Oソリューションをサービス業中心に提供

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リーチローカル・ジャパン 代表取締役 CEO 保積弘康氏インタビュー(販促会議2012年9月号「ネット×リアルの集客販促」特集より)

O2O先進国アメリカにおいては、リスティング広告を使った新たなO2Oソリューションが急成長している。従来のフラッシュマーケティングでは販促効果が出にくい商品・サービスが多数存在することにマーケティング関係者が気付き始めたからだ。その波は日本にも及び始め、サービス業を中心に広まっていく可能性を秘めている。今年6月に日本での営業を開始したリーチローカル・ジャパンに話を聞いた。

「モノ」の販促と親和性高いフラッシュマーケティング

アメリカでのグルーポンの成功がネットマーケティングの新しい“パンドラの箱”を開けたと思います。フラッシュマーケティングで集客し、そこからリアルのビジネスに結び付けるという手法は、ここ数年大きな伸びを見せました。

その一方で、フラッシュマーケティングではビジネスに結び付きにくい業種や商材がたくさんあることに、アメリカのマーケティング関係者は気付きました。フラッシュマーケティングで提供される商材は、スパやホテルなどのサービスもありますが、食品などの「モノ」中心だと言えるでしょう。

しかし、例えば窓が割れたり、ドアが壊れたときの修理サービスなどは、フラッシュマーケティングでは扱いにくい商材です。トラブルや事故が起こったときの弁護士への依頼なども同様です。

こうしたフラッシュマーケティングが取りこぼした業種や商材を対象に、リスティング広告を活用した新たなO2Oサービスがリリースされ広がってきているというのが、最近のアメリカの潮流です。そこには、とても大きなビジネスチャンスが眠っていると考えられています。

淘汰が予想される日本のフラッシュマーケティング

アメリカと同様に、日本でもフラッシュマーケティングが扱っていない商品やサービスがたくさんあります。これらの商材は、今後、当社が提供するような新たなO2Oサービスを通じて、消費者に届いていくのだと思います。

また、日本でもフラッシュマーケティングサービスが大小合わせて多数の事業者から提供されていますが、今後は消費者が各サービスに分散し、口コミ効果が効きにくくなるなどで淘汰が進み、グルーポンなど大手3社程度が生き残っていくことになると予想しています。

フラッシュマーケティングを使って購入する人たちの特徴は、価格を重視しているということです。一方、リスティング広告から集まる見込み客は、価格だけに反応するわけではありません。提供されている商品やサービスの質にも重点を置いています。企業はその違いを意識してO2Oマーケティングを行うことが大切です。質の高い顧客を集めたいならリスティング広告の方が、効果が高いと言えます。

独力では負担が大きい中小企業のネット販促

日本では、多くの中小企業が自社サイトを持っていません。主な理由は、販促におけるネットの重要性は認識しているものの、経営者や社内スタッフにネットマーケティングについての十分なスキルや知識を持った人が少ないからです。

また、ネットを使った販促に、時間と労力とコストをかけるよりも、本業に専念したいと考える経営者が多いこともその理由でしょう。しかし、消費者は情報収集を含めどんどんデジタル化しているのに、中小企業側はそのデジタル化に追いつけず、なかなか進まないという現状は、中小企業にとってビジネス機会を失っていると言えるでしょう。

仮に中小企業が独力でネットでの販促活動を展開しようとしても、なかなか思うようにいかない面があります。例えば、リスティング広告を出すとき、出稿先はヤフーがいいのか、それともグーグルがいいのか、キーワードの選定はどうするのか、広告を表示させる地域はどう絞り込むのか、広告の文章はどう書いたら読んだ人に伝わるのかなど、こうしたことを一つひとつ担当者が決めなければいけません。しかし、中小企業にとっては負担が大き過ぎます。

広告を見た人からの電話が売り上げにつながったかを分析

当社では、中小企業がリスティング広告を使って、ワンストップで費用対効果の高いO2Oサービスを利用できる仕組みを開発し、集客・販売促進を支援しています。

具体的には、リスティング広告を見て広告主のサイトを訪れた人が、問い合わせの電話をかける際、サイト上に表示される電話番号が変更されて表示されるのです。どのキーワードからの問い合わせ電話だったかを追跡できます。リスティング広告を見たことによるリアルの問い合わせを可視化するというのは画期的ですし、広告主は自社のサービス内容や予算に応じて費用対効果を見ながらプロモーションを実施できます。

これからはネット一辺倒ではなく、ネットでの広告効果を高めるためにも、予算的に可能なら、雑誌、新聞、屋外広告などのオフライン広告も積極的に活用する方が良いでしょう。商品や企業の認知度及び信頼性が高まっていきますから、出稿した広告の効果も上がっていきやすいです。

今後は、中小企業もデジタル化をさらに進め、広告もオフラインからオンラインへとシフトしていくでしょう。そして、ネット通販のようにネットだけで完結するビジネスと、O2Oマーケティングを通じてリアルで売り上げを伸ばしていくビジネスとの二極化が進むのではないかと考えています。

当社では、質の高い顧客を増やしたいと考えている中小企業に対し、きめ細かく対応できるよう、さらなる人材の充実を図っているところです。来年には地方の4~5都市に拠点をつくり、全国規模で展開していこうと考えています。

ReachLocalJapan_Model

Hodumi
保積弘康(ほづみ・ひろやす)
1991年、カリフォルニア・ルーテル大学・経営学部卒。デュポン、ボーダフォン、ハートフォード生命保険等のグローバル企業にて、財務・CIO・COOなどの役職を歴任。2011年、米国ReachLocal, Inc.入社。2011年9月、ReachLocal Japan設立、代表取締役社長CEO就任。2011年10月、ReachLocal Japan Services合同会社設立、職務執行者に就任。