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日本のアートディレクションの最高賞は、22万人が来場した「デザインあ展」に決定

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東京アートディレクターズクラブ(以下ADC)主催する「2013ADC賞」の受賞作品が発表となった。昨年5月から今年4月までの1年間に発表されたポスターや新聞・雑誌広告、エディトリアルデザイン、パッケージ、ディスプレイ、テレビコマーシャルなど応募総数8431点の中からグランプリに選ばれたのは、21_21 DESIGN SIGHTで開催されていた展覧会「デザインあ展」。受賞者は、同展覧会ディレクターを務めた佐藤卓、中村勇吾、小山田圭吾の三氏。展覧会単体としてのグランプリ受賞は同賞では初めて。さらに、佐藤氏はイッセイ ミヤケ「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE Happy Anniversary」のポスター、グラフィックデザインでADC会員賞も受賞しており、グランプリとのダブル受賞も同賞では初めてとなった。

グランプリを受賞した佐藤卓さん(左)と中村勇吾さん(右)。「卓さんの情熱に押されてできあがった展覧会」と中村さん。

同展は今年2月から6月まで開催され、会期中に22万5000人が来場した。デザインをテーマとしたNHKの子ども向け番組がもとであるが、デザインが表層的なことではなく、モノの見方や発見の仕方にあることを示していること。また、高尚な感じではなく、軽くポップに子どもから大人まで分かりやすく伝え、これまでデザインに縁のなかった人たちにも理解を広げた点などが高く評価された。

佐藤氏はこの展覧会を企画した経緯を「いまの時代、アートディレクターはあらゆるコミュニケーションとメディアをどのようにつなぎ、そこで何をすべきか、常に考えている。そのため、自分が置かれている仕事の環境の中で、ディレクターを務めているテレビ番組と展覧会という二つのものをつなげてみたらどうかという発想に自然につながった」と話した。番組では、受賞した三氏がグラフィックデザイナー、ミュージシャン、インターフェイスデザイナーという立場でかかわっているが、展覧会については従来の役割を超えて展示方法や空間を考え、つくりあげたことから、今回三氏ともアートディレクターとしての受賞となった。

審査委員長の副田高行氏は「今年は社会が活性化してきたことが表現にも表れており、応募作品全体に質の上昇が感じられた」と話している。本年度の受賞作品を収めたADC年鑑は、宮田識氏が編集長を務め、永井裕明氏がアートディレクションを担当。12月に発刊予定だ。

現在、受賞作品を展示する「2013ADC展」がギンザ・グラフィック・ギャラリー(会員作品)とクリエイションギャラリーG8(一般作品)で開催中。会期中には受賞者によるギャラリートークも予定されている。どちらも7月29日まで。

ADCグランプリ

「デザインあ展」(21_21 DESIGN SIGHT、三宅一生デザイン文化財団、NHKエデュケーショナル、NHK)
AD:佐藤卓、中村勇吾、小山田圭吾

ADCグランプリ「デザインあ展」

展覧会ディレクター
(アートディレクター)+CD
佐藤卓
展覧会ディレクター
(アートディレクター)
中村勇吾、小山田圭吾
参加作家
阿部洋介(the ltd.)、岡崎智弘、近森基(plaplax)、小原藍(plaplax)、クワクボリョウタ(Perfektron)、山口レイコ(Perfektron)、寺山紀彦(studio note)、緒方壽人(takram design engeineering)、山口信博(折形デザイン研究所)、西村優子(折形デザイン研究所)、山田悦子(むす美)
D
林里佳子

≫その他の受賞作品は次ページでご紹介します