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コラム

全広連名古屋大会 特集

日本経済をけん引する名古屋——【対談】愛知広告協会・大島寅夫理事長×夏目和良副会長

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【前回のコラム】「全国の広告関係者が名古屋に集結 過去最高の1600人来場」はこちら

広告界最大級のイベント「全日本広告連盟大会」が今年5月、名古屋市で開かれ、62回の歴史で過去最大の1600人が来場しました。主催は広告界の業界団体である公益社団法人全日本広告連盟(全広連)です。この企画は、全広連と宣伝会議とのコラボレーションの一環で、名古屋大会のレポートや地域ごとの取り組みを紹介します。

不況打破の契機に

——愛知広告協会が2014年大会の開催地に立候補した経緯は。

大島寅夫理事長(中日新聞社代表取締役副会長)

大島:「名古屋でやりませんか」とお声掛けいただいたことがきっかけです。2014年はどの協会からも手が挙がらなかったのです。当時は東日本大震災の後で不況の真っ只中でしたので、「それどころではない」という雰囲気が広がっていました。

そんな逆風下での打診でしたが、愛知広告協会の会員の皆さんに相談したところ「やりましょう」と背中を押してくれました。愛知・名古屋を全国にアピールするチャンスだということで、一致団結しました。

夏目:まとまるのは早かったですね。理事長の英断とリーダーシップによるところが大きいと思います。「アベノミクス」よりずっと早くに名古屋から立ち上がりました。

大島:本当に受けて大丈夫かな、と内心思いましたけどね。

——どんな大会にしようと考えましたか。

大島:日本を広告で活性化するきっかけとなるような、提案型の大会にしたいと考えました。全広連大会は広告関係者向けのイベントですが、一般市民や学生など、関係者以外の方も参加できるプログラムを入れることにしました。

その一つがトヨタ自動車の張富士夫名誉会長による記念講演です。大会式典の一部ですが、講演のみ一般募集で聴講を受け入れ、約300人の方が来場しました。また、大会に合わせ、往年の名作CMを見ることができる展示「アド・ミュージアム名古屋」を市の中心部で開催し、多くの方に来場いただきました。

大会式典の後は、「ものづくり」と「ものがたり」という2つのテーマでそれぞれ4つの体験プログラムを設け、その中から1つに参加していただきました。経済・歴史の両面から日本を支えている愛知・名古屋の魅力に触れ、体感してもらいたいとの考えからです。

自動車関連産業、航空宇宙産業が盛んで、名古屋港の貿易額は全国で断トツの首位です。一方、農業生産額は全都道府県で6位、特に花卉栽培が盛んです。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康をはじめ、戦国大名の約70%を輩出した土地でもあります。もっとも、こうしたことはマスコミ関係者にもなかなか知られていないのが現状です。全国から1000人以上の広告・マスコミ関係者が集まるせっかくの機会です。名古屋の魅力の一端にぜひ触れていただければうれしいですね。

夏目:大会のテーマは「『愛』に来い。『知』を語れ。日本ど真ん中広告会議~発信しよう。ものづくりの地から、ものがたりのチカラ~」です。読むほどに深い、中身の濃いコピーです。特定のコピーライターによるものではなく、地元の複数の広告会社による共同制作というのも、名古屋大会に向けた意気込みや結束を象徴していると言っていいと思います。

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