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口コミは法的措置の対象か、JAROが検証結果を公表

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日本広告審査機構(JARO)は11日、「口コミが法的措置の対象になるのか」といった観点から検証結果を公開した。半期に一度公表している「審査トピックス」の一環で、景品表示法や健康増進法、医薬品医療機器等法(旧薬事法)、医療法などの観点から検証した。概要は以下の通り。

まず景品表示法の観点では、商品販売を行わないサイトは口コミ規制対象にならない。しかし、サクラにより高評価を受けているように表示させる場合や、事実とは異なる口コミを書き込む場合、ブロガーに依頼して根拠のない優良性をうたうブログ記事を執筆させる場合は、事業者が同法違反に問われる可能性がある。一方、ショッピングサイトの商品販売ページなどの事業者が表示内容について決定できるサイトでは、一般消費者が書き込んだ口コミまでもが規制対象となり得る。不当表示として問題になる可能性があるのは、口コミのねつ造や改ざん、事実と異なる口コミを放置している場合だ。これらは消費者庁発表の「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法の問題点及び留意事項」に基づく。

健康増進法では、消費者庁の「いわゆる健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」に基づいて検証した。事業者の関与を受けずに自発的に書き込んでいるものであれば事業者は規制対象とはならないが、ステマ(ステルスマーケティング)や書籍の形態をとった広告は商品選択に与える影響が大きく、違反に問われる恐れがあると考えられる。

医薬品医療機器等法では、第68条で「何人も」承認前の医薬品などを広告することが禁じられている。また、医薬品は体質や症状の異なる他人による口コミに基づいて使用すると不適切な使用を招く可能性があり、口コミも禁止されている。そのため、ショッピングサイトにおいて一般消費者の効能や効果に対する書き込みを事業者が削除対応を行わない場合は問題となる恐れがある。

医療法では第6条の5において、限定的に認められた事項以外は原則として広告が禁止されている。患者の受診などを誘引する意図(誘因性)、医療機関や医療提供者の氏名や名称が特定可能(特定性)、一般人が認知できる状態(認知性)の3要件をすべて満たすものは広告として判断され、一般人も含む「何人も」広告規制の対象となる。しかし、医療機関と提携関係にないクリニック情報サイトなどで、個人が実体験に基づいて作成した口コミは「誘因性」の要件を満たさず、医療広告に該当しないとした。

このほか、WOMマーケティング協議会のガイドラインやJAROに実際に寄せられた苦情内容も踏まえ、「口コミを交換する場が単なる口コミサイトか商品販売サイトによって法的措置は異なる。後者は口コミの適切な管理運営が求められる」と締めくくっている。全文はJAROホームページにて公開されている。


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