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有志社員で「幸せわかし隊」結成――現場が盛り上げる、ノーリツのブランディング活動

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湯まわり設備メーカーのノーリツは、今年で創立60周年。これを節目に、今後6年間の中期経営計画を策定、ブランドマーケティングの強化を目指して、今年1月から取り組みを開始した。

創業以来、同社は「お湯をわかす会社」としてガス給湯器・石油給湯器をはじめとする住宅設備を提供し、成長してきた。しかし、国内市場の成熟・縮小、業界内の競争激化という厳しい環境下、ただ製品を提供するだけではなく、「ノーリツの商品・サービスを通じ、人と地球の笑顔につなげ、日々の暮らしの中でお客さまに感動していただく」というブランドマーケティングを強化していく必要性をあらためて認識した。

「大手の同業他社と比べ、当社の知名度は決して高くない。製品の機能だけではなく、企業としての考え方を明確に打ち出していくことで、共感していただきながら、知名度も向上していければ」(同社担当者)。

そこで、この中期経営計画では新たなグループビジョン「新しい幸せを、わかすこと。」を策定。「新しい幸せ」とは人と地球の笑顔、「わかす」とは暮らしの感動を追求することと位置付け、製品機能の向上・訴求にとどまらない、より情緒的な部分でターゲットに共感してもらうためのブランドづくりに注力している。

このブランドづくりにおいて同社が特に重視しているのは、ビジョンの実現に向けて、全社員約5140人で取り組むということ。「新しい幸せを、わかすこと。」に基づいて、社員一人ひとりがとるべき姿勢を全社員がしっかりと理解し、実践できるようサポートしている。

社内横断的に集まった有志社員56人で結成した「幸せわかし隊」。 ブランドづくりを全社一丸となって行うため、 現場を「わかす(=活性化させる)」役割を担う。

例えば東日本大震災発生時には、社員の発案で、宮城県気仙沼市内の避難所に、プライバシーを確保したシャワー施設を12基設置した。また、社内公募で募った有志社員56人で「幸せわかし隊」なるチームを結成。自分ができる「新しい幸せをわかす」とは何かを考えて社内外を「わかす(活性化する)」行動ができる人材を育成し、社員がブランディングに参画する風土をつくることが目的だ。

さらに、社員がこうしたブランディングに積極的に取り組むためには、自社に対する自信と誇りが不可欠と考えた。そこで、ノーリツが企業としてどう社会に貢献していくかを示し、実践していくための社会貢献活動を新たに体系化、「人に笑顔」「地球の笑顔」「暮しで笑顔」の3要素からなる「3つの笑顔プロジェクト」と名付け、本業を活かした取り組みを進めている。

「こちらの社会貢献活動については、現在、広報・IR室や経営企画部が主導で進めていますが、今後は徐々に他部門の社員も関われるような体制をつくっていきたい。全社員一丸となって「お湯をわかす会社」から「お湯を超えていくノーリツグループ」への転換を進め、製品に加えて、新たな価値を提供していきたい」(同社担当者)。