コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

ブランディングはじめました

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コピーライターになったけど。

僕にはコピーライティングだけの仕事って、あまりありません。CM企画とブランドスローガンを合わせて制作したり、ネーミングといっしょにパッケージを提案するのがほとんどです。養成講座では「ブランディングだろうと、メディアがなんであろうと、視聴者や消費者の気持ちを想像すること」と中村禎さん(電通)に教わりました。でも当時、一つのクライアントを長期間担当したことのない僕には、想像力の限界がすぐ来てしまいました。

ブランドって?

そこで、企業を知るにはヒト・モノ・カネかな? と思い、当時スタッフが最もイキイキと働いていた(ように見えた)コーヒーチェーンのアルバイト用会社説明会に参加しました。その企業は当時、マスメディアに広告をほとんど出稿していないのにブランディングの成功事例として特集を組まれていました。メディアへの広告出稿が無くても企業内ではきっと、コトバやデザインでコミュニケーションが確立されているはず・・・。

白状しました。

しかし説明会では会社案内やブランドブックなどは特に配布されず、しかも映像はアメリカ本社の翻訳版。そうこうしているうちに、面接が始まってしまいました。面接官にコピーライターとして仕事の資料集めに来ましたと、謝ったところ「かまいませんよ、次の週末の朝6時から働けますか?」と、笑顔でいわれてしまいました。

お客、社員、株主。

せっかくなので、その後半年間、寝起き半分の笑顔で働かせていただきました。そして、その企業のブランドの根幹は、徹底した社員研修と試験制度だと思い知りました・・・。
と同時に、事業報告書や株主総会での雰囲気を確認するために、その会社の株を買って株主総会にも参加。株主総会を両国国技館で開催するところが外資系企業らしい。株主の質問に対しても個人的な苦情レベルは、ばっさりと斬ります。NOと言えるアメリカ人社長。さすがです。

売るため、愛されるため。

その時の経験があってか、広告屋であると同時に、商品に対する当事者意識が強くなった気がします。
最近担当した、沖縄の植物を原材料にした消臭剤の仕事では、商品開発段階から価格についても検討させていただきました。製造にかかる人件費を削り、パッケージのデザインと素材を変更。手に持ったときの感触がよい瓶を選んだり、空港で販売する際の相場価格に近づけるなど、店頭のお客さんに想像を巡らせました。それらのお膳を整えて、現在、グラフィック広告やWebムービーを作っています。

と、想像力のネタを現場に探しにいくことも大切なことだと、思っています。

安田健一(やすだ・けんいち)
コピーライター・クリエイティブディレクター。1976年東京生まれ、フリーランス。WWFジャパン「いいなあ人間は。高齢化が悩みなんて」、世界を変えるデザイン展、クレディセゾン「あなたと、一生プレミアム」、ローソン「素材に素直なおいしさ。フロムナチュラルローソン」、ジェラートピケなど。
東京コピーライターズクラブ新人賞受賞。

安田健一さんのコラムは今回で終了です。次回(2月6日)からは山川力也さん(たき工房)のコラムを掲載します。

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