東京・表参道に新設された大学院大学「事業構想大学院大学」が今春開学し、入学式と開学記念パーティーが5日、千代田区の帝国ホテルで開かれた。パーティーには教員・大学院生のほか経済界や官公庁・団体、学界から約500人が参加した。
事業アイデア立案から実現までの過程を指す「事業構想」を学ぶ専門職大学院で、このほど一期生として36人が入学した。大学院生は企業や官公庁で働く社員・職員や経営者などで、それぞれ実務の課題や事業アイデアを持ち寄り大学院の課程を経て実施計画に落とし込む。2年間の課程を経て、事業構想修士(MPD=Master of Project Design)の学位が与えられる。
東英弥理事長はパーティーで、「日本に元気がないと言われるが、新しいことにチャレンジしたいと考えている人は多い。事業構想大学院大学をこうした人たちが集まる場にしていく」と抱負を述べ、「ぜひ日本全国に広げていき、地域活性化など様々な問題の解決へ一翼を担いたい」と強調した。
野田一夫学長は「ビジネスだけでなく、建築も街おこしも、映画の製作も我々は事業と考えている。そこに最も必要なのはアイデア。本学ではそれを実施計画まで落とし込む。これまで大学がカバーしてこなかった分野だ」と述べた。
平野博文・文部科学大臣は「社会改革の一番の早道は大学改革だと考えている。科学技術も、ビジネスへの落とし込みまでをやり遂げないと日本の未来はない。事業構想大学院大学にはこれからの日本を支える人材を育成するための素晴らしい志と開学の精神がある。大きな成果を生み出すことを期待したい」と祝辞を述べた。
来賓としてあいさつに立った東芝の西室泰三相談役は「しっかりとした卒業生を輩出して、世界で認められる大学になっていくと確信している」と期待を寄せた。
事業構想大学院大学は「知識を超えるアイデアを」をスローガンに、アイデアやクリエイティビティをビジネスや、生活の中の様々な「プロジェクト」へ活用する、クリエイティブの応用学として新たな分野を築くことを目指している。事業戦略やIT、医療、マーケティングなど様々な専門分野を持つ専任教員のほか、年間100人を超える客員教授・講師が登壇し、進行中のビジネスや事業アイデアを教材に講義やワークショップで学ぶ。
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