ネットでアップセルが低い原因
逆にオフライン(テレビ・新聞・チラシ等)に比べてネットはアップセル率が悪いというイメージがある。
ネットではショッピングカートという“システム”でお客さまがシステマチックに申し込むため、オフラインのコールセンターみたいに“人間”が臨機応変に対応することができないからだ、と言われいる。ただし、それは間違っている。ネットのアップセル率が悪いのは戦術が誤っているからなのだ。
多くのネット通販が誤っている点は、ランディングページの中でアップセルを狙おうとしていることにある。例えば、ネット広告で「無料お試しセット」を掲載しているのに、あわよくば「本商品」も買ってもらおうと、ランディングページの「無料お試しセットを申込む」のアイコンの下に、「本商品を申込む」のアイコンを置いてみたりする。さらにその下に「本商品を定期で申込む」のアイコンや「商品Bも一緒に申し込む」のアイコンを設置して失敗している。
ネット広告をクリックして、ランディングページに来て、申し込みの判断をこれからしようとしているお客さまにいきなりそんな選択肢を与えたら、コンバージョン率は低下する。
前にも話した通り、ネット広告から誘導するランディングページに来る新規顧客はその商品しか申し込まない。例えば“商品Aのお試しセット”でネット広告を打った場合、ズバリ99%のお客さまはその“商品Aのお試し”しか申し込まない。そんなお客さまにいきなり選択肢を渡しても意味がない。戸惑うだけであり、結果的に何も申込まなくなり、コンバージョン率が下がる。
仮に申し込みをしてくれたとしても、ほとんどのお客さまはハードルの低い方を選ぶ。そのため、こんな選択肢の並べ方では99%以上のお客さまが“無料お試しセット”しか申し込みをしない。
まだこのタイミングでアップセルをするには早いのだ。
ネットで劇的にアップセル率を上げたかったら“確認ページ”を有効活用すること!
それでは、ランディングページではなく、どこでアップセルを狙えば良いかというと、一番効果的なタイミングはお客さまが面倒くさい申込みフォームを記入した後、つまりは「申込確認ページ」である!
以前お話しした通り、そもそも日本の平均的なショッピングカートはランディングページから申込み完了までに平均的に “8つ”ページを遷移があるため、ページ遷移が進むたびにバケツの穴から水が漏れるように、どんどんお客さまが離脱していってしまい、誰も申込み完了ページまでたどり着かないのだ。
ただし、さすがに面倒なフォームを記入して“確認ページ”まで辿り着いたお客さまの99%は、あとワンクリックで終わるので“完了ページ”に遷移する。そこから離脱することはぼほない。
ズバリ、ここのタイミングが一番のビジネスチャンスなのである!あと一歩で商品が申込み完了になる“確認ページ”のタイミングで、アップセルを狙うと劇的にアップセルができるのだ!
でも世の中の99%のネット通販の“確認ページ”は単純に「商品はこれでいいですね。住所・電話番号・メールアドレスはこれでいいですね」と入力内容を確認をしているだけなのだ。もったいない! 非常にもったいない! では、具体的にどうすべきか見ていこう。
(次ページヘ続く)
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