コラム

中国で広告一筋7年目

平均に騙されない

share

弊社の営業の中国人女性(独身)Fさんが、先日上海の真ん中に53.8㎡で138万元(約1700万円)中古のマンションを買いました。彼女は慶応大学を卒業してPR会社から弊社に入社した才媛なのですが、そんな彼女がなぜワザワザ中古で、結構ボロくて狭い部屋を買うのか聞いてみたところ、最初は彼女が住み、彼女が結婚した後は親が住み、その間に政府の取り壊しにあって買値より高く買い取ってもらえる上に、新しくその場に建つマンションを1部屋貰える可能性を追った、一石四鳥作戦らしいです。データはないので僕の勝手な推測なのですが、中国のお金持ちは、きっと50%くらいが不動産成金だと思います(乱暴)。

半分冗談みたいに良く言っているのですが、僕の人生最大の後悔は、中国に来た2005年に、重松家の全ての財産を中国の不動産にぶっこまなかったこと。もし全部突っ込んでいたら今頃もう仕事しなくてもいいはず。もしくは、読広大広(上海)広告有限公司を自力でMBO出来ているかもしれません…

さて、よく中国の三大都市って北京・上海・広州って言われます。実際私もこの三都市には出張でよく行きますが、我々マーケティングの関係者の観点から見ると、実は広州よりもよく話題に上る都市が他に沢山あります。例えばユニクロを初めとした7ファストファッションブランドの出店済み都市を見てみると、実は武漢や成都、深センや天津といった場所のほうが積極的に進出されている。ちなみに青字で書いた杭州と大連の地下鉄はまだ工事中で完成すらしていない。つまり、これからさらに経済発展が約束されている都市なのです。

7ファストファッションブランドの出店済み都市

今さらですが、中国は人口13億人、国土面積は日本の37倍。広い広いとは言いますが、本当に広い。

僕が行ったことのあるビックリする家は、福建省の土楼。 バームクーヘンを巨大にしたみたいな家を作って、そこに一族で住んでいます。ものによっては、四角形、五角形の建物もあります。これはお城と住居を一緒にしたもので、2メートルくらいのこの壁は土で出来ていますが、小石や竹を上手く利用し、防御能力のとても高い住まいになっています。

驚きなのは、21世紀の現在でもここに人が住んでいること。彼らは基本的にはすべて同じ苗字の一族郎党で一つの土楼に住んでいます。中の部屋の広さはすべて全く一緒で、不公平のないような作りになっています。

土楼

また、上海から電車とバスを何本も乗り継いでやっと辿り着く浙江省の諸葛八卦村。この村の特徴は、村の真ん中に太極マーク(あのタウンアンドカントリーのマーク)の池があり、半分は水を入れ、残りの半分は陸になっていて、そしてその池を中心に、八卦の形に放射状に道路が通っていること。家はかなり質素に作られていますし、洗濯などはみんな家の前の池で行っています。この村の一番スゴイところは、ここには諸葛孔明の子孫が集まって住んでいて、村民4000人のうち、80%の苗字が諸葛なのです。村民に話しかけると、お爺さんなどは、「私は第49代目だ」、子供は「ぼく51だいめ」、という感じ。

shigematsu_1

たくさんの諸葛さん

shigematsu_2

shigematsu_3

床屋

shigematsu_4

太極マークの池

中国で同じ“家”、と言ってもこれだけの違いがあります。当然日本人でも六本木ヒルズに住んでいる人から、茅葺きの家に住んでいる人までいますが、僕は中国の方が日本より上と下の幅は広いような気がします。これは家だけでなく、生活レベル、教育水準、給与、いろいろなものの幅がそうです。

例えば中国では北京大学や復旦大学などの一流大学を卒業して23歳で外資系企業に入っても最初の月給は3000元(約4万円)ですが、30歳でちょっと出世をしていれば、軽く2万元(26万円)はもらえます。その差なんと約7倍。日本で新入社員の時に20万円だとして、30歳で月収140万円って、サラリーマンではほとんどありえないですよね。

長い前置きで大変恐縮なのですが、中国の上下の格差は本当に広いので、平均にあまり意味がありません。僕は特に、全国で売っているような一般消費財などのプロモーションを考えるときには、この幅の広さを忘れない、平均に騙されない、ということに気をつけるようにしています。

中国不動産屋

これは上海の不動産屋の門に貼ってある物件一覧です。単位は元なので、例えば750万元であれば、日本円で約1億円になります。僕が中国に来た時には、このマンションも300万元くらいで売られていました。あの時重松家の全財産を…グスン。

中国の田舎の方には、まだ地下鉄が通っていない都市が山ほどあります。僕が常に妄想しているのは、その市の政府の人と仲良くなって、将来地下鉄が交差するターミナル駅が出来るであろう場所を先に知ることが出来れば…その近くに今度こそマンションを買えば…。夢は広がります! どなたかそんな人脈ありませんかね?

次回は23日(木)に掲載致します。

重松 俊範「中国で広告一筋7年目」バックナンバー

もっと読む

Follow Us