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コラム

ジブンと社会をつなぐ教室

【座談会】情報過多になった自分を“剥がされる”

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10月2日開講のマスメディアン×電通「ジブンと社会をつなぐ教室」。発起人及び講師である電通のプロモーションプランナー 小島雄一郎さん、戦略プランナー 笹木隆之さん、コピーライター 保持壮太郎さん、アートディレクター 大来優さんによる座談会の3回目は、講師の皆さんの就職活動 Part2。美大生の就職活動と就活で必要な情報の取捨選択の重要性について教えていただいた。

睡眠時間2時間でポートフォリオづくりにのめりこんだ

アートディレクター 大来優
大来優(アートディレクター)

小島 大来さんは美大卒だけど、美大の就職活動ってどんな感じ?

大来 美大の場合、就職活動でできることはかなり限られています。就職せずにアーティストになる人もたくさんいましたが、親に就職しなさいと言われたこともあり、絵が得意ではなかったこともあって(笑)、広告代理店に就職しようと思いました。

小島 「絵が得意な人」は何になるの(笑)?

大来 ゲームクリエイターとかア二メーター、アーティストとかですかね…どうなんですかね。

当時、私の周りでは広告代理店を受ける人が結構多くて、調べたところ「入れるかも」と思った。(笑)まず、博報堂を受けましたが学内選考ですぐに落ちてしまい、その後びびりながら電通を受けて、受かりました。結果的に2社しか受けませんでしたが、受かるためにできる限りあらゆることをしました。特に力を入れたのはポートフォリオの制作です。アート職の選考では、「自分はこんな人です」と説明しなくてもわかるポートフォリオをつくります。

小島 僕たち一般的な四年制大学生にとってはエントリーシートにあたりますね。

大来 そうです。「私とはこういう人間です」ということがひと目みてわかる作品集ですね。3~4カ月ぐらい、ポートフォリオの制作ばかりしていました。毎日2時間睡眠を続け、破裂しそうになるぐらいのめりこみました。大学3年になって就活すると決めてからは、ずっと自分と向き合う日々を送っていました。ポートフォリオが出来上がった後も、「この作品をこの順番で見せるとこう見られる」「本当の自分はちょっと違うから、見せ方を工夫しよう」など、見せ方まで練りに練りました。

小島 ポートフォリオだけで完結しなきゃいけないから大変だよね。

大来 そうですね。作品そのものは一つひとつの課題に応えるようにつくるのですが、それを作品集にまとめるときは、自分をどう見せてどう伝えるかコンセプトまで決める必要があります。

笹木 ポートフォリオをまとめるための、そのコンセプトはどうやって決めたの?誰かにアドバイスを受けたりした?

大来 自分で考えて決めました。「これなら私を説明できる」というフォーマットを探して説明しましたね。

小島 メディアは違うけれど、僕たちにとってのエントリーシートと同じだよね。課題に対して応える、あるいはそれにのっとって自分を表現するということなので。

情報過多な就活をし、本質を見抜かれて落ちる

プロモーションプランナー小島雄一郎
小島雄一郎(プロモーションプランナー)

小島 僕の就職活動は、本当に“普通の就活生”の就職活動でした。学生時代はバイトとサークルしかしてこなかったから、英語もできないし、学校の成績もすこぶる良くなかった(笑)。だからとにかく情報を取りにいきました。様々なWebサイトを片っ端から見て、一発芸がいるとかいらないとか、情報に思いっきり踊らされ(笑)、情報過多になってしまいました。

なんとなくおもしろそうだという理由で広告業界を受けることにしたのですが、選考は大学4年生の4月から。その前に“練習”をしようと選考スケジュールのはやい企業を受けまくりました。

その“練習”の過程で、情報過多になってしまった自分をどんどん剥がされてしまいましたね。2次面接ぐらいまではすすむのですが、その次の役員面接で本質を見抜かれ、自分を剥がされ落ちてしまう。そんな風に“練習”で落ちることが続いて、ようやく「自分はどうしたいのか」「何が向いているのか」を本気で考え出しました。本気で考えたら受かるようになり、電通の面接のときにはようやく全うなことを言えるようになりました。

だから、このプログラムでは、「自分みたいな情報過多の学生がいたら“剥がし”にいく」ということも目的の一つです。

第10回「読者の「2013年度就職活動のスケジュール変更がもたらした課題」はこちら
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