世界最大級のワイン・コンペティション「チャレンジ・インターナショナル・デュ・ヴァン(Challenge international du vin)」が4月5日から6日の2日間、仏リヨン近郊の街ボルグで開催される。今年は150以上のオーガニック・ワインを含め、38カ国から5000種類のワインが出品される。
同コンペは36年という歴史をもち、2009年にはコンテストの試飲サンプルの取り扱いについてのISO9001の認証を取得している。ちなみに、日本やウィーン、イギリスでもワイン・コンクールは行われているが、ワインの取り扱いについての認証取得というこだわりには至っていない。しかし、ワインは扱い方、保管の仕方で味に変化が出るデリケートな商品。同コンペでは、ISO9001の認証取得を通じて出品者をはじめ大会関係者にワインの知識を普及させることで、世界の人々にワインの良さを知ってもらうとともに、生産者や流通関係者の意識向上やブランド力アップ、産業振興に取組んでいるといえよう。
フランスの貿易収支を見ると、ワイン・蒸留酒部門は、航空産業に次ぐ第2位の黒字部門で、80万人の雇用を維持する産業だ。各地の名物ワインは街の重要な観光資源でもあり、ワインの競争力はフランス経済にとって重要な地位を占めている。それだけに、コンペでも品質管理を徹底しているといえそうだ。
そんなフランスを支えるワインの祭典で、年々存在感を増してきているのが、市民によるリサイクルや社会貢献活動だ。使用済みワインボトルのリサイクルの取組みや、コルクのリサイクルを通じたがん治療研究機関「アジール・キャンサー・ジロンド」の支援、世界のワインを取り巻く現状についての学生やワインメーカーへの教育活動など、市民の活動も行われる。
ワインボトルのリサイクルといえば、昨年は、テーブルウエアのブランド「funew」(ふにゅ)が注目を集めた。製造・販売するのはスカイツリーのおひざ元、東京都台東区の木本硝子だ。ワインボトルの原型を生かしつつ、トレーやコップに変形したもので、リサイクルとリユースの中間のような商品だ。6月のエコ月間に先駆けて5月14日から百貨店で試験的に販売したところ、個人だけでなくレストラン経営者やシェフが高い関心を持ち、結果予測を上回る売り上げだったという。
ホテルやレストラン関係者向けの展示会では、欧米の一流ホテルチェーンからエコな観点が高く評価され、好評を博しているという。オーガニック・ワインや有機野菜などの食材にこだわるお店では、食器選びでも環境配慮を実践することで、環境意識の高い顧客の支持を得られるとともにブランド力アップにもなると考えられているようだ。
オーガニックな食品への関心が高まるなか、フランス経済を支えるワインの祭典で、リサイクルや社会貢献を実践する市民の活動が、世界の出品者や審査員たちにどんなインパクトをもたらすのかにも注目したい。
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