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どこまでできるか「社会的に孤立する人のヘルスケア支援」 ファイザープログラム助成活動報告会を開催

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セクシャル・マイノリティとの共生社会へのヒント

共生社会をつくるセクシャル・マイノリティ支援全国ネットワークの代表理事、原ミナ汰さん

続いて、共生社会をつくるセクシャル・マイノリティ支援全国ネットワークの代表理事、原ミナ汰さんから、同団体の活動報告が行われた。

まず、日本では、セクシャル・マイノリティへの理解が遅れていることから、最初にその概念整理が行われた。原さんによると、近年の国際的な動向として、性別を「男性」「女性」の二つだけでとらえることに強い違和感をもつ人もいることを尊重する動きが強まっているという。

すでに、オーストラリアでは、パスポートに「男性=M」「女性=F」とそれ以外を意味する「X」の表記を採用している。また、アメリカ精神医学会(APA)では、精神障害の診断と統計の手引きが今年5月に改訂され、性同一性障害(Gender Identity Disorder)は診断名から外され、性別違和症、性別不快症(Gender Dysphoria)に変更されたという。さらに、同性婚、同性パートナー登録制度は30カ国以上で採用され、法案を審議中の国も増えているという。

日本では、賛成73%、反対27%(読売オンライン調査)。同性パートナーを事実上の配偶関係にあると判断した判例も出ている。また、昨年8月に行われた「自殺総合対策大綱見直し」では、統計的に自殺率が高いとされる性的マイノリティへの対応が明記された。加えて、相模原市、世田谷区、川崎市など自治体によるLGBT(Lesbian、Gay、Bisexuality、Transgender)の相談窓口の設置も始まっている。

こうした動きを受けてファイザーでは、電話相談やセクシャル・マイノリティ支援団体のネットワーク化を支援しているという。さまざまな課題があるなかで、理解・啓発の必要性が大きいのが就労の問題だ。職場では、服装や髪形、言葉遣いなど、明文化されたものそうでないものを含め、さまざまな制約があり、セクシャル・マイノリティには対応が困難なケースも少なくない。いじめや嫌がらせの問題のほか、同性のパートナーの緊急事態への対応に理解が得られないなどの実態も紹介された。

現代社会に求められる心とからだのヘルスケア

市民社会創造ファンドの運営委員長、山岡義典さん

ファイザー製薬では、2000年から「心とからだのヘルスケア」をテーマにした研究助成活動を行っている。その特徴は、「ヘルスケアの概念を広くとらえて市民活動を支援すること」「1件あたり300万円程度の助成」「必要な人件費や運営費も助成する」などとなっている。2013年度は、「中堅世代の心とからだのヘルスケア」をテーマに応募を募る(募集期間:6月10日=24日)。

その理由として、同プログラムに携わる市民社会創造ファンドの運営委員長、山岡義典さんは、「中堅世代は、子どもたちを育てる親世代として、高齢者を支える子世代として、経済的にも社会的にも頼りにされる世代だが、ヘルスケアの政策は不足。この中堅世代における孤立が進み、新たなヘルスケアが求められている」という。

『人間会議2013年夏号』
『環境会議』『人間会議』は2000年の創刊以来、「社会貢献クラス」を目指すすべての人に役だつ情報発信を行っています。企業が信頼を得るために欠かせないCSRの本質を環境と哲学の二つの視座からわかりやすくお届けします。企業の経営層、環境・CSR部門、経営企画室をはじめ、環境や哲学・倫理に関わる学識者やNGO・NPOといったさまざまな分野で社会貢献を考える方々のコミュニケーション・プラットフォームとなっています。
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