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どこまでできるか「社会的に孤立する人のヘルスケア支援」 ファイザープログラム助成活動報告会を開催

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ファイザープログラム助成団体による活動報告会のもよう

社会的に孤立する人のヘルスケアと「就労」をテーマに、6月7日、ファイザープログラム助成団体による活動報告会が行われた。同プログラムでは、保健、医療、福祉への取り組みとともに、就労をはじめとした社会参加活動の促進についても、さまざまな支援活動を行っている。今回は、山形県新規就農者ネットワークによる「『農業の力』でニート・ひきこもりの若者を元気にするプロジェクト」と、共生社会をつくるセクシャル・マイノリティ支援全国ネットワークの活動報告が行われた。

農業による就労支援の可能性

山形県新規就農者ネットワーク事務局長の田中俊昭さん

山形県新規就農者ネットワークは、山形県で新しく農業をはじめた若者の組織で、県全域で約50名が参加、県外出身者が多く、職歴・経歴もさまざまなメンバーの集まりだ。
事務局長の田中俊昭さんは、ネットワークの特徴として「農業の新しいカタチを目指すこと」「公益を意識した農業」「過去6年にわたるニート・ひきこもりの若者との交流実績」の3点をあげた。

ニート・ひきこもりの若者支援について、田中さんは、「これまでは職業訓練を中心とした支援が行われてきたが、技術を習得して働く場を得たとしても地域とのつながり、社会に貢献しているという意識がもてないと長続きしない」といったこれまでの反省点を指摘した。そこで、山形県新規就農者ネットワークでは、その点をいかに克服するかを考え、「技術や精神力を身につけるとともに、地域と一体となった植栽活動や農産物の販売を実施して、若者たちの自信をもってもらうこと」を目指しているという。

2010年にはシバザクラの生産を行い、ホストとなる地域住民と一緒に植栽・交流を行った。ここでは、①生産管理技術の習得、②観察する「眼」を養う、③人と接する、④社会との接点の認識をテーマに取り組んだ。2011年には、農産物の生産と販売を行った。ここでは、①農業生産の基本を学ぶ、②日々の変化に気づく、③「売る」ことで社会を認識、④農業のやりがいを実感といったことをテーマに取り組んだ。
このように、社会との交流を明確に位置づけることで、ホスト地域との信頼関係を築きつつあるという。

今後はこれまでの取り組みを活かし、植栽植物や食用農産物の生産・販売を強化し、自主農場の開墾・運営にも取り組む方針だ。また、ニート・ひきこもりの若者の支援団体と協同して受け入れる若者を少しずつ増やしながら、農業を基本とした社会復帰支援プログラムをブラッシュアップしていく方針だ。

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