コラム

「広告なのにシェアされる」コンテンツ・マーケティング入門

大量生産を実現した自動車の歴史に学ぶ、メディアから見たコンテンツマーケティング

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これまでの連載で、私が最近手がけた様々な記事の例を紹介してきました。が、「コラムタイトルには『コンテンツマーケティング入門』とあるのに、結局しているのは記事広告の話ではないか?」という質問がありました。

元々、個々のケーススタディとして記事広告の例をあげたうえで、それらを包括するコンテンツマーケティングについて語ろうという予定でした。そこで、今回はこのテーマについて説明したいと思います。

そもそもコンテンツマーケティングは単なる広告ではなく、コンテンツを作ることでユーザーにリーチする方法ですが、次のようにコンテンツの種類によって、その強みや作り方が当然ながら異なります。

長期的にアクセスを呼びこむストック型とは逆に、フロー型は瞬発力が強く、新商品の告知に向いています。また、スペック情報が機能商品などの紹介に向いているのに対し、ストーリーを持たせたコンテンツは、ドラマなどの情緒的な商品や、企業PRに強いという特徴があります。

そしてこのコラムのテーマとなっているのは、図の右下にあるシェアされやすいエンタメコンテンツをどう作るか、という所です。なぜならそれが、ネット上のコンテンツで、最も未発達な分野だと思うからです。おそらくその理由は、一番作るのに手間がかかるからだと思っています。

そのようなコンテンツを企業が継続的に実現するには、コンテンツを量産することで、利益を生む仕組みが必要になります。記事広告というのは、その中の1部分、パーツの一つでしかありません。

コンテンツマーケティングとはコンテンツを作成し、配布する技術を指しますが、今回のコラムは、通常の広告クライアントから見たコンテンツマーケティングの話ではなく、媒体社から見た、メディアの継続・発展を目指したコンテンツ量産体制の話です。というのは、その視点もまたネットで、未発達な分野だと思うからです。

例えばウェブメディアで記事広告を量産・販売している場合は、次のようになります。

図2

メディア企業がコンテンツマーケティングを実践するためには「コンテンツ生産量を上げる」という視点が重要になります。コンテンツが多いほどメディアの魅力も高まり、その生産量に利益が比例するからです。

そして、ここでいうローコストでの制作とは、いかに一つのコンテンツをチープに作るかという話ではなく、どのようなローコストの制作方法だと、コンテンツのクオリティを上げつつ、制作工数が少なくてすみ、コンテンツ生産量もあがるのか?という視点での工夫を追求する、ということです。

具体的な例として、例えば前回の記事では、次のようなローコスト制作のケースを紹介しました。

例えば、「大阪の虎ガラのオバチャン」の記事では、大阪ロケをしましたが、交通費を削減するため、東京から大阪に行ったのは私1人。カメラマンなど他のスタッフは全て現地で手配し、5時間ほどで撮影を終え、あとは私1人で3日ほどで記事を執筆・編集して作りました。

この話を書いたのは、一つの記事広告を安く仕上げたことを自慢したかったからではありません。テレビと違いウェブでは、遠方のロケ撮影までしてコンテンツを作る機会はそう多くありません。ですから、もしそれを安く実現できる方法が見つかれば、ローコストでコンテンツのクオリティを高めることができます。自ら大阪まで行ったのは、ウェブコンテンツ制作において「遠方のロケ撮影」は、どのように行えばローコストでクオリティを上げられるのか、実際に行って調べてみようと思ったためです。

より良いコンテンツを大量生産する方法を探すことこそ、私のテーマです。
それは、一つの巨大なスペシャルサイトを制作しようとするのとは、真逆の方向です。
たとえるなら大量生産される車と手作りのフェラーリくらい、かけ離れています。

≫次ページヘ続く

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