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コラム

「広告なのにシェアされる」コンテンツ・マーケティング入門

テレビ黎明期の映画会社の失敗に学べ!――適正なウェブコンテンツ制作費の決め方

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これまでの連載では、広告が見られにくくなった時代に、「コンテンツと広告を一体化して、ユーザーにシェアしてもらう方法」「広告コンテンツを作る方法」「どのように商品を扱うとシェアされやすいか」をご紹介しました。

今回は、実際に広告コンテンツを作る時に、どのように工数とコストを抑えるかについてご紹介します。というのは、これまで紹介してきたような方法で広告コンテンツを作る際、最大のネックとなるのが、制作の大変さだからです。従来の雑誌やテレビのコンテンツの作り方では、手間とコストがかかり過ぎて、多くの場合、ネットメディアではペイできません。もっとシンプルな方法が必要です。

例えば、「大阪の虎ガラのオバチャン」の記事では、大阪ロケをしましたが、交通費を削減するため、東京から大阪に行ったのは私1人。カメラマンなど他のスタッフは全て現地で手配し、5時間ほどで撮影を終え、あとは私1人で3日ほどで記事を執筆・編集して作りました。

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※虎ガラのオバチャン記事のボツカット写真もついでに紹介していきます。

音楽の世界でも、初音ミクのようなボーカロイドを使い、プロデューサー1人で作曲、作詞、演奏まで行うことが多くなりましたが、ネットの広告コンテンツも、できるだけ少人数でサクサク作らないと儲けがでません。“スマホで見られること”を前提に、シンプルに作らないと赤字になって自爆してしまいます。

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似たような話を、堺屋太一氏が著書『組織の盛衰―何が企業の命運を決めるのか』で解説しています。かつて映画業界がテレビのコンテンツ制作に挑んだ時、映画の世界のコンテンツの質にこだわりすぎて制作コストが回収できず、自爆してしまった話です。

昭和31年に、映画会社の株価は当時の松下電器やトヨタ自動車より高かったそうです。その理由は、テレビが普及すれば、そのコンテンツ制作を映画会社が請けおって業界全体が潤うと思われていたからです。

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