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社会のためになる消費(2)エシカル消費はもうすぐ当たり前になる

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前回に引き続き、『環境会議』2013秋号の「社会のためになる消費」特集の記事の一部をご紹介いたします。

河口 真理子(大和総研 調査本部 主席研究員)


エシカル商品を手掛けるのは、小さな社会的企業が多く、生産量自体がまだ小さく販売チャネルも限られている。フェアトレードのチョコレートやコーヒーはイオングループなど大手小売りでも扱っているが、店頭で見ると数ある品揃えの中で1〜2品目だけということがほとんどだ。消費ムーブメントにするには、点を線から面に広げる必要がある。

そこで、実際にエシカル商品をフルラインで提案できる場として、またエシカルの理念である人と人の絆や地球や社会への思いやりを発現する恰好の場としてエシカル・ウェディングというコンセプトを思いつき、2012年8月に「エシカル・ウェディングのススメ*5」というコラムを書いた。


エシカル・ウェディングを提案するエコマコ(http://www.ecomaco.com/)のウェディングドレスはトウモロコシを原料にしたポリ乳酸などのエコ素材を天然草木染で染めたエコドレス。軽量で持ち運びやすく、汚れても洗えるので、どこでもウェディング・セレモニーを行える。ユーザーの中には、ペットと一緒にウェディング・セレモニーを行ったり、古民家で式を挙げた人も。

考えてみると結婚式・披露宴で使うモノはエシカルになじむアイテムが多い。たとえば児童労働・強制労働が排除された鉱山から採掘されたかリサイクルされた貴金属や貴石を使ったエシカルウエディングリング。ドレスは、オーガニックやトウモロコシを原料にしたポリ乳酸などのエコ素材を天然草木染で染めたエコドレス。石油原料のパラフィンではなくミツバチの巣の蜜蝋を使ったオーガニックなキャンドル。ブーケには野の花やフェアトレードの花。お料理や引き出物には、オーガニックやフェアトレードの食品やオシャレな雑貨。復興支援の観点からも被災地のお酒や魚介類、野菜やフルーツなどを使うことも考えられる。さらに結婚式とは新郎新婦のライフスタイルや価値観を列席者に披露する場でもある。モノにのせて、彼らのエシカルなこだわりや思いを伝える格好の機会ともなる。

こうした話を特に若い女性にすると、大抵目を輝かせてくれる。実際に最近ネットでエシカルジュレリーとか、エシカル・ウェディングを検索すると、多数ヒットするようになった。

*5 2012年8月24日、大和総研コラム

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