メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×
コラム

続・「広告なのにシェアされる」コンテンツ・マーケティング入門

バスキュールの西村真里子さんに聞きに行く! 「みんなが主役時代の参加できる広告って?」(後編)

share

シェアされやすい感情、されにくい感情

西村:ナイキのソーシャルバナーの企画とも共通しますが、最近のテレビ局との取り組みでも重視しているのは、「身近な友達が常に近くにいる」状況をつくること。それが自分ゴト化につながると考えているんです。

昨年の1月、日本テレビ放送で放映された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」で、スマホを通じてゲームに参加するイベントを仕掛けたんです。

視聴者には放映前に、スマホから特設サイトにログインしてもらう。それで劇中で、「逃げちゃダメだ」などの有名なセリフが登場するシーンが近づくと秒読みが始まる。さらに、そのセリフに合わせてタイミングよく画面をタップすると「シンクロ率」が上がるというものです。(「シンクロ率」とは、「ヱヴァンゲリヲン」に出てくる言葉)。

企画のポイントは、フェイスブックやツイッターでログインすると、友だちのシンクロ率もわかるようにしたこと。一人でテレビを見ていたら、チャンネルを変えてしまうかもしれない。でも、友だちが見ていることがわかると、最後まで見続けてしまう心理が働くのではないかと思ったんです。

ただ、実際にやってみての感想は、その番組が好きな人はたとえ一人でも見続けるということで…。コンテンツが強力ならば、ソーシャルは必要ないかもという気もしました。

谷口:それは、コンテンツが引き起こす感情によってシェアされやすいもの、されにくいものがあるということではないでしょうか。例えば、笑いの感情はシェアしたくなりますが、怒りの感情はあまりシェアしようと思わない。コンテンツの性質も影響していそうです。

日本テレビの 『金曜ロードSHOW! ヱヴァンゲリヲン新劇場版TV版「ムーヴィシンクロナイザ」』。©カラー ©NTV

≫次ページ 「滑らないためのリスクヘッジ」に続く