ブレーン 編集長 刀田聡子
2013年を振り返ると、「広告とは課題解決だ」では語り切れないケースが増えた。課題自体も複雑化したがそれ以上に、「何を世の中に投げかけるべきか」がいま問題になっている。
広告が効かない、商品のコモディティ化が進む状況が変わらない一方、ソーシャルメディアやオウンドメディアなど、企業が何かを発信できるプラットフォームは増えている。
そこで何をどういう形で発信すれば、ユーザーとよりよい関係を築けるのか。そして、ブランドを高めることにつなげられるのか?誰もが納得する形でその答えとなったのが、13年に旋風を巻き起こした「ソーシャルグッド」だった。
ソーシャルグッドは今後も大きな流れとして続いていくものの、2014年は別の角度からのアプローチが登場するのではないか。
「広告は企業のメッセージを伝えるもの」という図式にも変化が起きている。「伝える(tell)から行動(act)へ」という体感型・参加型広告の変化は既に起きているが、13年はさらにその先の形が見えてきた。それが「一緒に感じる」というアプローチだ。
レッドブルが公開した成層圏からのフリーフォール動画「Red Bull Stratos」は13年最も話題を呼んだ企業動画のひとつだが、この動画はブランドについて何も語っていない。
だが、「こういうものを自分たちはよしとする」という価値観を動画で具現化し、世の中に「シェア」している。それによって共感を呼び、ブランドを高めた。こうした新しい形のコミュニケーションが、14年はより増えるのではないか。
ブレーンでは13年、オンライン動画コンテスト「Brain Online Video Award(BOVA)」を設立した。ソーシャルメディアやオウンドメディアで発信するコンテンツが必要とされるなか、エモーショナルな共感を呼べるオンライン動画はさらに存在感を増していく。
14年は初開催のこのコンテストを成功させると共に、動画を使ったマーケティングコミュニケーションの行方を注視したい。
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