コラム

ニューヨーク突撃記 PARTY NYCの挑戦

落ちゲー「Candy Crush Saga」が教えてくれた、日本の鎖国状態

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レベルが低い、つまり遅れているのはほとんど日本人、逆に、日本人以外の友だちの多くがかなり先に進んでいる…。つまり、「日本人だけ遅れている」という状況がそこに視覚化されていたのです。

「だから何なんだ」という話かもしれません。たかがゲームではないかと。

しかし、私はこの様を見て慄然としてしまいました。「日本って、もしかして孤立してないか?」。この場合、後追いで「Candy Crush Saga」は日本でも流行したのですが、ちまたでよく話題に上っている「ガラパゴス化」にも近い孤立感を、わかりやすい形で実感することになりました。

これは、日本が孤立しているというだけのことではありません。どうやら、「日本以外の国はみんな結構つながっているっぽい」ということでもあります。

実はこれは結構そうだと思うのです。いくつか理由があると思います。

日本のマーケットは、世界の中でも非常に大きいマーケットです。だから、あまり外国を巻き込まなくても国内向けに何かつくって国内で売ってしまえば生きていくことができてしまう。だから、普通は、特に生活の中で外国人とコミュニケーションをとる必要もないし、英語をしゃべる必要もない。

そもそも日本語という言語がかなり独特の言語なので、言語の壁を越えてコミュニケーションするには結構なエネルギーが必要。

さらに言うと、明治維新以降の先人たちが必死かつ勤勉に欧米の最先端の知識を日本語訳して輸入してくれたおかげで、何かを勉強するにしても日本語だけで事足りてしまうという歴史的な背景もあるのだと思います。

そして、そんな国は世界中でもほとんど他にない、ということなのです。

コンビニでおでんを売っている台湾も、そういう点ではかなりグローバルなのです。

とある香港のクライアントとプロジェクトの企画していたときにも同様のことを認識させられる出来事がありました。その案件はアジアパシフィックがターゲットだったのですが、クライアントからのブリーフには「ただし日本は除く」と書いてあったのです。

日本のマーケットは他と比べて独特すぎるから、ターゲットから外す、ということです。

そういうことがいろんなところで起こっている。それがどうやら現実らしい。日本は鎖国に近い状態にあるのではないか。そしてその傾向は、インターネットが普及するとともに強くなっているのではないか。そんなことを「Candy Crush Saga」が実感させてくれました。

これは、恐らく悪いことだけではありません。上記のような状況があるがゆえに、日本人にしかつくれないものというのは生まれるのでしょうし、それは大事にすべき感覚なのだと思います。

しかし、もともと私自身もPARTYも、デジタルという、とかく国境を越えて享受されがちな領域を中心に仕事をしてきました。つくってきたものの中で、世界的に大受けしたものもあれば、全くそうでもなかったものもありました。

常に「こういうものをつくったら受けると思うんだけどなー」という、ふわっとした感覚で勝負して、幸いにうまくいくこともある、という感がありました。

日本と「日本以外」。(主に)その2つしか無いのなら、ちゃんと海外の感覚を理解した上で仕事すれば、もっと世界の人々に伝わるものをつくれるのではないか、日本の独特な何かの、何が良いのかを理解して、良き形で世界に送り出すこともできるのではないか、と思いました。

ニューヨークの地下鉄駅での風景。わかりにくいが、左でスマートフォンをいじっている男性はCandy Crush Sagaをやっている。

もともとPARTYは、ニューヨークにちょっとした拠点を構えてはいました。しかし、上記のようなショックもあって、「こりゃ本格的にがっつりやろう」という気になったわけです。他にもいろいろ理由はあるのですが、それも追々書いていきます。

そんなわけで、私が「Candy Crush Saga」に飽き始めた頃には、既に米国ビザを取得して、移住計画を進めていました。

今日もいつものように、ニューヨークの地下鉄でオフィスに出社しました。同じ車両の中では、見た感じ、少なくとも3人は「Candy Crush Saga」をプレイしていました。

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