「TBWA式いいアイデアの見きわめ方」/「SWAT」参戦記 前編

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「パリで行われる『SWAT』に参加してほしい」――。上司から要請を受けたTBWA\HAKUHODO コピーライターの荒井信洋さんと、アートディレクターの木村洋さん。「SWAT」とは、グローバル広告会社TBWAの各国支社からコピーライターとアートディレクターが2人1組で、グローバルクライアントからオリエンテーションを受け、アイデア出し、プレゼンテーションまでを行う、実戦の場。TBWA Parisに集まったのはアメリカ・カナダ・ベルギー・フランス、そして日本チーム。日本からは2案が採用されました。さて、「SWAT」に挑んだ2人が得たものとは。前編を担当するのは荒井信洋さんです。

荒井 信洋(TBWA\HAKUHODO コピーライター)

TBWAの全世界ブレスト大会、「SWAT」に参加し、心に残ったできごとや言葉をいくつかご紹介したいと思います。テーマは「いいアイデアのリトマス試験紙」といったところでしょうか。若手だけど、新人ではない。企画で毎回ホームランは打てないけど、時々感触がある。そんな広告に携わる同年代の方に何かの形で活かしていただければ嬉しいです。

アイデアに純粋であれ。

パリのオフィス。最終的に “ 逆ホームシック ” に。

初日のオリエンから衝撃だった。なんと、クライアントの非常にお偉い方が同席しているのだ。日本でイメージしてほしい。大事な自社のブランドキャンペーンを、日本語もカタコトな、初対面の外国人(しかもヒゲ面)に任せるだろうか?

しかし、参加したクライアントは、「心から皆さんのアイデアが楽しみだ」と言い、その言葉がウソだとは思えないほど、ワクワクしたようすでブリーフを説明していた。そう、過去の実績や長年築いた関係性ではなく、純粋に「アイデア」を求めていたのだ。

もしかすると、関係とか、事情とかを抜きにして、常にアイデアにピュアでいることが、グローバルを舞台に、広告で人を動かす近道なのかもしれない。それは、クライアントだろうが、エージェンシーだろうが、クリエイティブだろうが、営業だろうがきっと同じ。育った文化も言語も違う、多様性から生まれるアイデアをぶつけ合い、磨き続ける。これがSWATの強みなんだ、と洗礼を受けた。

次ページ 「いい別れが、いいアイデアと出会わせる。」へ続く(2/3)

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