本欄では、広告主、広告業、メディア、クリエイターなどの垣根を超えて広告界の未来を本音で語りつくした2日間のセミナーの一部を紹介します。
【F5】4月16日(水) 15:30~16:30
TV番組×WEB×CM 愛される企画の作り方
<登壇者>
- エステー 宣伝担当執行役 クリエイティブ・ディレクター 鹿毛 康司 氏(文中、鹿毛)
- LINE 広告事業部 チーフプロデューサー 谷口 マサト 氏(文中、谷口)
- 放送作家・戦略的PRコンサルタント 野呂 エイシロウ 氏(文中、野呂)
「愛される」=受け手に歩み寄り、寄り添うこと
——ディスカッションのテーマである「愛される」という言葉について、コンテンツを作るお三方はどんなふうに捉えていますか。
放送作家・戦略的PRコンサルタント 野呂エイシロウ 氏
野呂:私が放送作家として活動し始めた20年前は、どちらかと言えば「見たい人だけが見ればいい」というちょっと突き放したスタンスで番組を作っていましたが、今は「ぜひ見ていただければ嬉しいです」という感じ。「愛される」テレビ番組になるよう努力をしていますね。
谷口:ネットでは、「愛される」というよりは、仲間だと思ってもらうことが大切です。「発信者は自分の仲間だ」という意識を持ってもらうためには、作り手自身をできるだけ見せたほうがいいし、コンテンツをあまりキレイに仕上げないほうがよい場合がある。例えば撮影の大道具をあまりキレイに作ると、既製品に見えてしまい、手作り感が減ってウケなくなるときがあります。つまり、コンテンツの完成度が上がるほど、親近感が減ってしまうことがある。“受け手”と“作り手”というふうに、明確に線引きされてしまうのです。
鹿毛:私は一昨年、『愛されるアイデアのつくり方』という本を出しましたが、「愛される企画」というと、ニュアンスがちょっと違うかな。テレビCMの企画制作にあたっては、とにかくみんなに喜ばれることを意識しています。
——CMとWEBとテレビ番組、それぞれの企画の作り方に違いはありますか?
鹿毛:CMの企画を考えるときには、「これは面白そうだけど、トラブルが起きそうだ」と躊躇し、無難な表現でまとまってしまうことが多い。しかし、関連法規と倫理さえ確認しておけば、トラブルは回避できると考えています。
LINE 広告事業部 谷口マサト 氏
谷口:WEBの場合は、あえてそういう“危ないところ”を狙っていく傾向があります。そこで重要なのは、誰かを攻撃するのではなく、自分を“被害者”にするということ。そういうふうに作らないと、ウケないんです。また、“ヤラせ”はすぐバレてしまう時代ですから、本当にあったこと、ドキュメンタリーをネタにします。
野呂:テレビ番組も、自爆・自虐ネタが多いですね。誰かをいじめることで笑いをとるのは、今の時代は受け入れられない。また放送作家は、「こんなことをやったら面白いだろうな」という机上の空論を作り上げるのが仕事ですから、誰も考えつかないような、無謀なことを考えないと仕事になりません。「それって、普通にできるじゃん」「どこかで別の人もやっているんじゃない?」と言われたらおしまいですから。
≫次ページ 「受け手は「ターゲット」ではなく「お客さま」」に続く
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