コールセンターはいつもパーティ会場のように賑やかで、顧客と電話で雑談したり、商品にメッセージカードや花を添えて送ったり、ワクワクやサプライズが満載の場です。
社員はザッポスというブランドが何を提供するものなのかを十分に理解し、対応する顧客ごとに何が喜ばれるのかを自分のアタマで考え、それぞれに最適な体験を提供しようとしているわけです。
こういったザッポスのような組織について、以前ループス・コミュニケーションズ代表の斉藤徹さんが、「オーケストラ型ではなく、ジャズ型の組織」と表現していました。
多くの企業は中央統制による組織運営で、それはまるでオーケストラのようだというのです。
全ての奏者が一人の指揮者をグルリと囲み、みんなが指揮棒の指示に従って一糸乱れぬ演奏を展開している様子を指しているのでしょう。
もちろん、これはとても強い組織で、たくさんの企業がこのやり方で成長を遂げてきました。
しかし「顧客接点が広告の生まれる瞬間になった」時代、その最適化を実現するなら、一律対応を超えてそれぞれの奏者の自律判断が必要とされる場面も出てきます。
自らのアイデアを生かすことで、演奏全体に貢献するというジャズ奏者のような発想が求められるようになるというわけです。
(もちろん、あくまで例え話です。実際にはオーケストラの奏者も自らのアイデアが求められているしょう)
社員それぞれが、自律判断で顧客対応をしていくと、顧客にとってはそれが一期一会の体験になるはずです。
顧客によっては、その体験が商品やサービスのモノとしての価値を超えるかもしれません。
人間は人の役に立つことに喜びを感じるという、他の動物にはないすごい能力を持っています。
これを生かさない手はありません。
社員には、自分の気持ちで顧客の期待に応え、自社のブランドに貢献したいというモチベーションがあります。
ここにこそ、顧客接点を最適化し「そこで生まれる広告」をより良いものにしていく原動力があると思うのです。
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