コラム

いま、地域発のクリエイションが面白い!第2弾

場所や言葉に縛られない「人間にとっての本質的な気持ちよさ」を追求する

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「すごいは一度だけ、楽しいは何度でも。」

2006年に、北九州空港の出発ロビーに「インタラクティブディスプレイ」と称して、ディスプレイの前にいる人に反応する、“遊べるデジタルサイネージ”を設置しました。

クライアントは北九州市。出発前のちょっとした時間を楽しく過ごせるようにすること。そして、北九州市をPRすること。この2つを同時に解決する方法として、見ている人が画面に映ると動物に変身したり、小倉城をバックに桜の花びらが舞ったりするコンテンツとシステムを制作しました。

 

2006年、北九州空港に設置した「インタラクティブディスプレイ」

このシステムは、設置9年目を迎えた今でも、システムエラーで止まることなく稼働しています。さらっと書きましたが(笑)、これはすごく大切なことです。

いくらすばらしいものや話題になるものを作ったとしても、お披露目の時しか動かずにエラーで頻繁に止まったり、運営スタッフに過度な作業を強いたりするのであれば、作っていないのと同じだと思うのです。

また、博多駅の各階のエレベータについているサイネージや、全国の某外資系アパレルブランドの店頭に設置されている子どもが遊べる参加型サイネージ、お台場合衆国の『ワンピース』体感アトラクション–日本国内で展開されている参加型サイネージや、イベント・施設の体感コンテンツのうち600件以上は、実はしくみデザインが作ったものだったりします。

川崎のアゼリアで実施したクリスマスサイネージ

こういう“参加型モノ”ばかり10年も作っていると、共通点というか、ユーザーにウケるコンテンツのコツがだんだんわかってきます。それを言葉にしたのが、「すごいは一度だけ、楽しいは何度でも」。私たちのクリエイティブポリシーです。

いわゆるインタラクティブ系やメディアアート系の施策は、どうしても最新の技術や新しいセンサー・デバイスに目が行きがちです。ちょっと前だと「Kinect使って何かできないか」とか、プロジェクションマッピングで、ARで、SNS連動で等々、つい技術そのものの目新しさやトレンドに意識が行き過ぎてしまう。

でもそうすると、ユーザーから「はすごい(技術だ)なぁ」と思われるだけのものになりがちです。冷静に見渡すと、「それ、○○使いたかっただけやろ」って突っ込みたくなるものが意外と多かったりしますよね。

ユーザーからしてみると、技術的に「すごい」と思ったものは、もう一度見たときには「知ってる」になってしまうんですよ。何回もやりたくなるのは「楽しい」ものなんです。

そんなの当たり前じゃないか、と思う方も多いと思います。けれど、わかっていてもなかなかできないものなんですよ。

だから私たちは、可能な限り、一般化してよく知られるようになった技術や汎用性の高いデバイスを駆使して、大人向けでも子どもも楽しめるようなものを作るように心がけています。

一方で、SMAPやTRF等のアーティストのライブコンサートツアーにも参加し、カメラ映像を使ったコンテンツをリアルタイムに生成する演出も手がけています。

TRF 20th Anniversary Tour Live

こちらは、ユーザーは最終的には観客ですが、観客の目当てはアーティストなので、いかにアーティストを生かすかが重要です。そして、システムは絶対に落ちてはいけない。ギリギリまでうまくいくかどうかわからないなんて、許されないわけです。

そういう仕事を続けてきたので、堅牢なシステムとクオリティの高いコンテンツを短期間で制作できるようになりました。

次ページ 「目線は、最初から世界に向けておく」に続く

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