新潮社 佐藤隆信社長インタビュー――神楽坂に登場する新商業施設「la kagu(ラカグ)」の狙いとは?

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10月10日、神楽坂にオープンする商業施設「la kagu(ラカグ)」。この施設は、新潮社がかつて使っていた倉庫を改装したもの(建築監修:隈研吾氏 記者発表の記事はこちら)。施設の運営をサザビーリーグが行い、新潮社はその中のレクチャースペース「sōko(ソーコ)」にかかわる。両者のタッグによって生まれたこの新しい知的創造空間は、どのような経緯で生まれ、今後どう活用されていくのか? 新潮社 代表取締役社長 佐藤隆信氏に聞いた。

神楽坂という街の歴史を活かした施設に

新潮社 代表取締役社長 佐藤 隆信 氏

――この「la kagu」はもともと新潮社の倉庫だったと聞きました。そこをなぜ商業施設として活用しようとしたのか、経緯を教えてください?

本社隣の倉庫は、少なくとも25年前からほとんど使っていませんでした。出版業界が伸び悩み、当社も売り上げが苦戦している中で「ここを何かに使わないのか?」という声が社内外からあり、色々と検討していました。そんな中、当社の役員がサザビーリーグの鈴木会長と知り合い、「こんなスペースがある」と話したところ、すぐ見に来てくださいました。神楽坂という立地と、倉庫という意外性に魅力を感じていただき「これはいいですね!」となり話が決まりました。それがだいたい2年くらい前でしょうか。商業施設の運用管理については専門であるサザビーリーグさんにお任せして、私どもは基本的には「大家」というスタンスです。

――出版社発の商業施設ということですが、特徴はどのような点でしょうか?

「神楽坂」という歴史ある場所で、サザビーリーグさんと当社が重なる点ですね。単に両社が組んだということではなく、「神楽坂」という場所が起点になっているのでその組み合わせがとても自然な感じがします。また、古い倉庫をそのまま使っているという点も、街の雰囲気に良くなじんでいると思います。上質なアパレルや生活雑貨を扱うサザビーリーグさんと、良質な本の出版を目指している当社。業界は違えども、考えている方向性は同じなので、お互いの良さを出していけると、より特徴ある施設になると思います。

――本社のある神楽坂に人が集まる場所をつくるということで、地元への貢献という意味合いもあるのでしょうか?

貢献といえるかどうか分かりませんが、いつもにぎやかであることは、街全体にとって良いことだと思っています。神楽坂でも、当社がある側はこれまであまり人が多くなかった。la kaguができることで、メインの通りにいる人の足がこちらまで伸びるようになると、回遊が促されて、集客・人の流れという部分では貢献できると思っています。

次ページ 「作家と読者が触れ合えるスペースとして活用」に続く

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