コピーを書くということ(2) ― グーグルの本社は、田舎にある。

[寄稿者一覧はこちら]【前回のコラム】「コピーを書くということ」はこちら山﨑博司(TBWA\HAKUHODO コピーライター)

「つまんないなあ」「全然おもしろくないね」「てにをは違いじゃん」

2年目に入っても、一向に通らないコピーや企画。

先輩たちの輝くコピーを会議室の隅っこから眺める。

そんな日々をおくっていました。

そんなとき、自分にとって転機となる仕事が訪れました。

それは、コピーってこういうことか、を少し知れた瞬間でもありました。

コピーって、こういうことか。

業務のスキマをみつけて参加した、毎日広告デザイン賞。

僕は『ふるさと』をテーマにした発言広告(新聞14段)の部に挑戦しました。

といっても、すぐにコピーが書ける訳もありません。

デスクでウーンウーンと唸っていたところ、

隣の席にいた師匠の井口雄大さんが一言。

「当たり前のこと書いても、誰も振り向かないんじゃない?

広告を見た人が、なるほどそれはいいかもと思って、

田舎に移り住んでみたくなることを書かなきゃ」と。

そのアドバイスを聞いて、確かにその通りだなと思ったんです。

『ふるさと』と聞けば、ほとんどの人が、

“山、川、田園といった風景、おじいちゃんおばあちゃん、治安の良さ…”

を思い浮かべる。自分のコピーを見返してみると、

自然や人のやさしさを表現したものばかり書いていたのです。

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