講演者
- 齊藤 雅久(モスフードサービス ブランド戦略室 ダイレクトマーケティング グループリーダー)
調査から見えてきた課題
野村総合研究所が3年ごとに実施する「生活者1万人アンケート」によると、2000年から12年にかけ消費スタイルは「プレミアム消費」が拡大傾向、「利便性消費」は一定の割合を維持という結果となっています。モスバーガーはプチ・プレミアム消費的ですが、「利便性」には課題があります。実際「モスバーガーはできたてで美味しいけれど、レジ待ち、商品待ちの時間が長い」というお客さまの不満が顕在化していました。
また外食各社の来店頻度調査では、週1回以上のヘビーユーザー、月2~3回のミドルユーザー、月1回以上のライトユーザーの合計が、当社が約14%であるのに対し、競合店では約40%も占めており、ヘビーユーザーにもっとファンになってもらい、ライトユーザーも増加させる施策が必要であると判断しました。この数年は定番商品のリニューアルと、利便性の向上を目的としたデジタル施策の強化を進めています。
昨年人気商品のモスバーガーのリニューアルを実施し、今年も定番商品を順次リニューアルしています。デジタル施策で強化しているのがプリペイドカードの「モスカード」で、入会費無料、即日発行、一定額を入金するとMOSポイントが付与されます。モスカードを利用されたお客さまでモスカード保有前よりも来店頻度が高まる、という調査結果も出ているほか、ファン化を図るブランディング的役割も持ち合わせいます。モスカードの導入でレジ決済のスピードも非常に早くなるため、お客さまの利便性も向上しています。
モスカードのコード番号をモスバーガー公式サイトに入力すると「モス カード会員」になります。一般会員よりもお得なモバイルクーポンを利用でき、さらに誕生月には抽選で500名様に好きなハンバーガーをプレゼントするなど、特別なサービスを提供しています。
また9月16日には「モスのネット注文」サイトを立ち上げました。PCやスマホからオーダーすると、予約した店舗で指定した時間に商品をお持ち帰りいただけるようになりました。レジの順番を待つ、商品の出来上がりを待つ、といった心理的な負担が軽減されるサービスです。
そして「お届けサービス」を実施している店舗であればお客さまの自宅まで直接商品を届けます。このシステム導入によって、利便性の向上、販売チャネル拡大、さらに店舗側の作業負担も軽減できるため、お客さまと店舗スタッフがWin-Winの施策になると確信しています。現在は一部店舗の先行導入ですが、来年4月には全店導入を目指しています。
ブランド戦略室ダイレクトマーケティンググループではデジタル施策を有機的、効果的に結び付け強化しながらお客さまのエバンジェリスト化を進めたいと考えています。
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