コラム

販促・集客メディアフォーラム2014

競合スーパーに「この街でお世話になります」と広告で挨拶、スーパー激戦区での西友の開店プロモーション

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講演者

  • 為実久幸(合同会社 西友 マーケティング本部 シニアダイレクター)

 

9月3日・4日東京国際フォーラムにて、「宣伝会議販促・集客メディアフォーラム2014」が開催され、販促担当者の課題解決に役立つ最新事例や手法についての講演が行われた。本コラムでは、メーカー・流通を中心とした注目企業のキーパーソンによって行われた講演の一部をレポートとして紹介する。

合同会社 西友 マーケティング本部 シニアダイレクター 為実久幸 氏

西友は今年1月、東京・板橋区に「蓮根坂下店」を新たにオープンさせました。このエリアは同店1キロ圏内に11ものスーパーがひしめき合う激戦区。オープンするにあたってはこのエリアに「新しくスーパーができるとはどういうことか?」という自らへの問いかけからスタートしました。

それを考えていく中で、今回の新店オープンのプロモーションでは、店舗周辺の住民や街を巻き込んで、地域の人たちのなかに「私たちの街に西友がやってくる!」というワクワク感やドキドキ感を創出することを目標にしました。

駅から店舗までの間にアンビエント広告を掲出

まず今回の蓮根坂下店の店舗外観は、ブランドシンボルとして「赤いキューブ」を使ったデザインになっています。そこで、この「赤いキューブ」をもとにした店舗キャラクター「Mr. Live Better」を、店舗と地域住民とをつなぐ橋渡し役として作りました。企業メッセージを一方的に伝えるのではなく、ユーザー目線で語りかけるようにしたのです。ちなみに、「Mr. Live Better」という名称は、西友のミッション「Saving People money so they can live better」から付けました。

通常、新店舗をオープンするときは、新店舗周辺に屋外広告や交通広告を掲出して告知しています。ただ、今回出店する街は駅張りも難しいほど、広告の掲出可能スペースが少ない場所でした。そこで、「街自体をタッチポイントにしてしまおう」という発想で、アンビエント広告(広告メディアとして認識されていないスペースを使って、生活環境に深く入り込むようなマーケティング・コミュニケーション)を展開することにしました。

このアンビエント広告は、最寄り駅である都営三田線の蓮根駅と志村三丁目駅から新店舗までの導線上にあるマンションや店舗の壁面など約20か所に掲出しました。内容はMr. Live Betterが地域の人たちに語りかけるメッセージと、広告から新店舗までの距離としました。

例えば、駅のすぐ近くにあるマンションの壁面には、「スーパー激戦区に、西友がやって参りました!」というメッセージと「あと550m」という距離を表示しました。

パン屋の壁面には「西友のある生活が始まるかと思うと、夢もパンも、ふくらむよね! あと380m」、途中のマンションの壁面には「このマンションで暮らす人たちも、あなたも、みんな西友で買い物する、同じ街の仲間なんだなぁ。あと350m」、スバルのショールームの建物壁面には「スバルは、走りがちがう! 西友は、安さがちがう! あと55m」など、掲出場所に合わせたメッセージを展開しました。

また、同業のサミットの近くには、「サミット先輩失礼します!この街でお世話になります! あと630m」というメッセージを掲出しました。私たちからすればサミットは競合ですが、地域の人たちからみると我々の方が新参者であり、先行しているスーパーには挨拶をするべきだろうという思いから、このようなメッセージを掲出しました。

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