コラム

良いコピーをどうやって書くか、ということより先に知っておかないといけない話。

コピーを書いてお金をもらいましょう。

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円安で輸出産業の大企業ばかりが利益上げて、中小企業や一般庶民は物価高で苦しんでる。トヨタとしては、「いま利益上げてるのはカイゼンを重ねた結果ですから!というか、みんなでカイゼンして、世の中をもっとよくしましょうよ!」と言って、バッシング回避したい。
インナーのモチベーションも上げたいところ。
本にも書きました「がんばってるね」という魔法の言葉を暗に発したい。
そういうところにこのコピーがぴたっとハマったのでしょう。
これ、シリーズだから、書いたPOOLのコニタンは毎月ポルシェ1台分ぐらいもらってますよ、絶対。

えっ、そんなにもらってない?
ムーヴ1台分ぐらい?

いずれにしても、こういう思考でコピーを書くのがプロのコピーライター。
発注主の課題を、時にはオリエンシートにないインサイトまで読み込んで、解決してあげる。
その対価としてお金をもらうのがコピーライターだと僕は思っています。

自分の本の中でも書きましたけど、「水のコピーを書け」とか「みんなが足の爪を伸ばしたくなるコピーを書け(そんなものがあるか知りませんが)」とか、そういう訓練をすることにどれほど意味があるか疑問を持っています。
そういうバーチャルな課題は、広告主が不在だからです。
「コピーで助けてくれるなら100万円でも出すよ!」という人の想定がないから、お金をもらう力がちっともつかない。
誰も喜ばせない、独りよがりコピーを書く能力ばかりが上がっていく気がします。

医療で最も重要なのは「診断」と言われます。
患者が何が原因で苦しんでいるか知ろうともしないで、「ほっほおー、〇〇先生のメス捌きはお見事ですなあ-」と仲間で言い合っているような医者に、身を委ねたいですか。
他の職種も本質は同じです。

もちろん、店頭POPとか、バナーとか、いろんなポイントでキャッチコピーはまだ必要ですよ。
でもキャッチコピー職人の未来は暗いでしょう。
長期ビジョンが見えません。
コピーライターという職種の定義、その指導、ビジネスモデル、全てを見直す時期だと思います。

「ここらで広告コピーの本当の話をします。」著:小霜
和也/発行:宣伝会議(2014/10/29発売)詳細はこちら

ところで、この本、かなり短時間で書いたもので、どのくらい短時間かというと夏前に依頼があったとき「宣伝会議賞の時期に合わせたい」と言われたんですね。
そこから逆算すると、えっ、入稿まで2ヶ月ないですよ!という。
なので、後から「あ、あれ言い忘れた」みたいなのがポロポロあるんです。
コラムは全8回なんですが、前半はその言い忘れを書いていこうかなと思ってます。
次回は「新人が出すべきコピーの数は50案」です。

小霜和也(小霜オフィス/no problem LLC. 代表)
Creative Consulting / Direction / Copywriting
1962 年兵庫県西宮市生まれ。1986 年東京大学法学部卒業。
同年博報堂入社、コピーライター配属。1998 年退社。
2014年現在、株式会社小霜オフィス no problem LLC. 代表。

著書に『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(宣伝会議刊)

『コピーライター養成講座 専門コース 小霜和也クラス 12月20日(土)開講』
講義は 【オリエン篇】、【打ち合わせ篇】、【プレゼン篇】 の3回構成
講師はクリエイティブディレクター、営業、クライアントの3名が登壇。ちょっとした「演劇」を行います。

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