若いコピーライターで、1案だけ持ってくる人いるんですよ。
大外しのを。
自信満々で。
スタッフ一同「これは…」と困り顔していると、いかにこのコピーが優れているかの長広舌をふるい出す。
僕はそういう時、ムッキーッ!てなります。
ムッキーッ!て。
発注する以上、やはりちょっとは期待するわけです。
いいの書いて来てくれないかなーと。
ところが1週間時間をあげて、これかい、と。
最初から自分で作業してたらプレゼンまでの貴重な時間を無駄にしなかったはず。
時間を返せ!と叫びたくなります。
僕はコピーを書くとき、ほぼ必ず若いコピーライターに手伝ってもらいます。
サボりたいわけではなく、その理由は2つあります。
1つは、後進にチャンスを与えたい。
もう1つは、どんなに考えても、気づかない隙のようなものは必ずあるので、自分にない発想が少しでもあった方がいい。
そんなことです。
なので、自分は発注主にお金をもらう立場でもあり、発注主としてお金を払う立場でもありと、両方の視点を持っていることになります。
発注主としての立場でいつも思うこと。
それは、金払わせろ、ってことです。
払いたくなる作業してきてくれ。
「うーん、これは〇万ってわけにはいかないぞ。〇〇万は払わんと、まいったなー、どうする?」ってマネージャーに相談したい。
それぐらいのものを持って来てほしいってことです。
実際にマネージャーが払うかどうかは置いといて ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ 。
しかし若いコピーライターは、
「お金を取れるコピーを書こう」
という視点、姿勢がほとんどないみたいですね。
たとえばあるコンセプトワードがあって、これをコピー化したい、というお題を与えると、ただその文の単語を入れ替えたりちょっと縮めたりして持って来る。
キムタクじゃないけど、チョ待てよ!と言いたくなります。
この作業でいくら請求できると思ってるの!?
素直、ということなのかもしれませんけど…。
「小霜さんがおっしゃってたのってこういうことですよね…」と、打合せで僕が言った言葉をそのままコピーにして持って来る人も。
そうそう、そういうこと、って、それでいいなら最初からおれが書くわ!
なんで君にタイプさせるだけでわざわざお金払わんといかんのだ。
「いったい何を聞いていたんだ」とがっくりすることはとても多いです。
そもそも「聞く」ってことをしなくていいと思ってるような。
広告主のオリエンに同行させて、「こういうコピーだけは書かないでください」と言われたコピーをそのまま持って来たり。
しかもその切り口だけ…。
チョ、待てよ!!!!!!
「水のコピーを書け」的な訓練ばかりしていると、発注主が求めるものを書く、という視点が欠落していくのかもしれません。
僕はコピーを書いた後、全体を眺め直して「クライアントはこれで金を払う気になるだろうか?」と考えます。
そして、何か足りない気がしたら、そこを埋めます。
若い人たちも、コピーを書いたら、いったいこれでどれだけもらえるかと自問すべきです。
「良いコピーをどうやって書くか、ということより先に知っておかないといけない話。」バックナンバー
新着CM
-
マーケティング
サントリー生ビール、3〜6月で1.5万GRP 1000万人規模の体験機会も
-
広報
自動運転バスに「AI車掌」導入し車内コミュニケーション、上士幌町
-
販売促進
アサヒコ「豆腐バー」が海外進出 2027年以降は売上構成比30%を目指す
-
広報
N高・S高など、「AI入学式」の生配信を実施
-
広告ビジネス・メディア
東急エージェンシーの新・中計が始動 2つの変革で「体験価値共創企業」へ
-
AD
広告ビジネス・メディア
広告とまちづくりを共存させる、壁画(ミューラル)を使った新感覚広告が躍進の予感
-
販売促進
たまごっちが動くOOH? 欧米版の新デザイン発売記念広告
-
販売促進
「紅茶花伝」新CMでマカえんと小芝風花がコラボ 深川麻衣出演ラジオも開始
-
特集
「宣伝会議賞」特集