メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×
コラム

良いコピーをどうやって書くか、ということより先に知っておかないといけない話。

新人が出すべきコピーの数は50案

share

もし最初に5万円と提示されていたら、「10万くらいもらってもいいと思うんですが」と言えるようなものになってないとダメ。
発注主を困らせないといけない。
それがクライアントのためなんですよ。

意識すべきは、「深さと広さ」。
僕は新しい依頼があると、必ず、その企業や商品に関連した本をさがして読みます。
ユーザーレビューや2ちゃんねるを見ます。
ネットに落ちてる関連した調査データを調べます。
そうやって、その商品が社会の中でどういう位置づけにあるかをできるだけ深く理解するところから始めます。
本にも書きましたが、ここに時間の9割をかけます。
そうすると、自然といろんな視点が生まれてきて、深いコピーを広く書けることになります。
そして、一つの正解を提出するというスタンスではなく、その中でこれがいいのでは、という自分の意見としてプレゼンするんです。
発注主の意識よりも深く、広い、それがお金をもらえる根拠なんだと思っています。

やる気を見せようと、打合せに100案とか持って来る人もいます。
でもそういうのはただの言葉の組み合わせや入れ替えのバリエーションだったりします。
数を書くことが目的になってるわけです。
読む方は徒労を感じ、かえって怒らせることになりかねません。

「ここらで広告コピーの本当の話をします。」著:小霜和也/発行:宣伝会議(2014/10/29発売)詳細はこちら

若いコピーライターは50案提出をひとつの目安にするのがいいでしょう。
その50は、言葉の組み合わせや入れ替えのバリエーションではなく、視点やコンセプトの違いのある50。
もしその中に採用に至るものがなかったとしても、発注主としては「次もこのコに出そう」と感じるバランスです。
それを、お金をもらえるコピーライティングの第一歩にしてはどうでしょうか。

ところで本のテーマでもある「コピーで価値を上げる」ということの意味ですが、本を読んでもまだ何となく掴みきれないという方もいらっしゃるでしょう。
具体例を挙げてそこをもうちょっと説明したいと思いました。

そこで、次回は「JAXAの人たちが感涙したコピー」です。

小霜和也(小霜オフィス/no problem LLC. 代表)
Creative Consulting / Direction / Copywriting
1962 年兵庫県西宮市生まれ。1986 年東京大学法学部卒業。
同年博報堂入社、コピーライター配属。1998 年退社。
2014年現在、株式会社小霜オフィス no problem LLC. 代表。

著書に『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(宣伝会議刊)

『コピーライター養成講座 専門コース 小霜和也クラス 12月20日(土)開講』
講義は 【オリエン篇】、【打ち合わせ篇】、【プレゼン篇】 の3回構成
講師はクリエイティブディレクター、営業、クライアントの3名が登壇。ちょっとした「演劇」を行います。

詳細はこちら