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広告界も賑わうクリスマス商戦——海外の注目キャンペーン事例をピックアップ

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【事例2】
出版社のリアルタイムマーケティングで“新旧ペンギン”が真っ向対立!?
——ペンギン・ブックス「#penguinwars」

ペンギン・ブックス「#penguinwars」。ジョン・ルイスのCMで描かれる“最高のクリスマスプレゼント”が「もう一匹のペンギン」であるのに対し、「ペンギン・ブックス(ペーパーバック)のほうがいいよ!」と呼びかける。

英国ロンドンに本社を置く大手出版社 ペンギン・グループは、一つ目の事例で紹介したジョン・ルイスのキャンペーンキャラクター「モンティ」の登場を受け、“宣戦布告”ともとれるWebムービーをローンチ。84万人ものフォロワーを持つツイッターアカウントで「#penguinwars(ペンギン戦争)」というハッシュタグ付きで紹介し、「モンティよりペンギン・ブックス!という人はムービーに『いいね!』してね」と呼びかけた。

6秒動画のVineでもジョン・ルイスのCMのパロディ動画を公開しており、モンティの人気と話題性ににうまく便乗したコミュニケーションを展開している。

【事例3】
プレゼント選びって意外と大変…。その悩み、アプリで解決します。
——テスコ「Secret Scan-ta」

ブラウザ上で、プレゼントしたい相手のツイッターユーザー名を入力するだけ。相手の好みに合わせた最適なアイテムを提案してくれる。検索中は、サンタ(Scan-ta)のアニメーションが見られる。

クリスマスが間近に迫る中、家族や友人へのプレゼント選びに追われている人も多いのでは?何をプレゼントしていいか分からず、悩んでいる人も少なくないはず。英国最大手のスーパーマーケット・テスコは、Webアプリを使って、その悩みを解決するキャンペーンを展開している。その名も、「Secret Scan-ta」。ツイッターでの家族や友人の発言を収集・分析することで、その人にぴったりの贈り物を簡単に見つけることができる。商品は、様々なジャンルをカバーした全500種の中から選択され、どれもテスコで購入することができる。その人の興味・関心や、今欲しがっているものを分析することで、パーソナルかつ思いやりに富んだクリスマスプレゼントを贈ることができる、というわけだ。

アプリの企画制作を手掛けたのは、ロンドンやニューヨーク、パリ、シドニー、サンパウロなど、世界8カ国に拠点を持つソーシャルメディアエージェンシーのWe Are Social。同社はテスコのほか、ハインツやエヴィアン、ハイネケン、パナソニック、ユニリーバ、レノボなど、数多くの大手クライアントの案件を手掛けている。

キャンペーンの目的は、テスコの会員プログラム「Tesco’s Clubcard」への登録を促進すること。会員でなくともSecret Scan-taを利用することは可能だが、会員であれば、Secret Scan-taを使って買い物をすることで、通常の2倍のポイントが加算される。他にも会員向けのプレゼントキャンペーンが並行して実施されている。

クリスマス商戦の成功のカギは何か。デロイトは、来店前やショッピング中に商品を検索するという消費者行動を踏まえ、デジタルを活用した顧客とのコミュニケーションが実店舗での購買行動に大きな影響をもたらすと話す。また、マーケットリサーチ会社のBlueocean Market Intelligenceも、デジタルを活用したサービスの提供が売上アップには欠かせないとしており、消費者を引き付けるサービスの一つとして、インストアピックアップサービス(ネット注文店舗受取サービス)を挙げる。米国ではディスカウントストアのKマート、家電量販店のベスト・バイ、高級デパートのノードストームなど大手を中心に導入が進んでおり、日本でもヨドバシカメラ、無印良品などで実施されている。

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