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広告界も賑わうクリスマス商戦——海外の注目キャンペーン事例をピックアップ

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米国の年末商戦は、感謝祭の翌日にあたる11月第4金曜日(「ブラックフライデー」)からスタートする。またEC市場では、感謝祭明けの月曜日に売上が急増し、年末商戦がスタートすることから、この日を「サイバーマンデー」と呼ぶ。年間で小売業界が最も活気づくシーズンが、クリスマスを前に山場を迎えている。

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全米小売業協会(National Retail Federation:NRF)が10月に発表した推定によると、米国内の11~12月期、つまり年末商戦の小売売上高(自動車、ガス、外食除く)は、前年同期比4%増(昨年の増加率は3.1%)の6170億ドルに達する見込みとされている。景気の回復によって人々の消費意欲は高まっており、年末商戦は活況を呈するとの予測で、中でもオンライン販売は2013年の増加率8%からさらに加速して11%増に達する見込みと期待大。コンサルティング会社のデロイトも小売売上高は4.5%増と大幅増を見込んでおり、オンライン販売・通信販売に関しては14%増とさらに大きく伸長する可能性も示唆している。

こうした中、クリスマス商戦に本腰を入れ始めた各社が、オンライン・オフラインの様々なチャネルを駆使して、お祭りムードを盛り上げている。

【事例1】
マスコットキャラクター「モンティ」、人気急上昇中 CMを飛び出して商品展開も——ジョン・ルイス「#MontyThePenguin」

ジョン・ルイス「#MontyThePenguin」。YouTubeでは11月6日の公開から約2週間で再生回数1670万回を突破。楽曲は、ジョン・レノン作曲の『Real Love』をシンガーソングライターのトム・オデールがカバーしたもの。

百貨店のクリスマスキャンペーンと言えば、カンヌライオンズ2014で4 冠を果たした、英ハーヴェイ・ニコルズの「Sorry, I Spent It On Myself.」(詳しくはこちら)が有名だが、同じ英国のジョン・ルイスも負けていない。同社は毎年クリスマス向けのCMを放映しており、英国の人々から高い人気を誇っている。adam&eveDDBが手掛けた2014年のCMに登場するのは、サムという名の少年と、彼の親友の「モンティ」。オスのアデリーペンギンである。どこに行くのも、何をするのも一緒の2人。ところが最近、モンティの様子が何だかおかしい。どうやら、モンティには欲しいものがあるようで、それに気づいたサムはクリスマス当日、モンティに素晴らしいプレゼントを用意する…というストーリーが描かれている。

特別な日に、相手が本当に望んでいるものを贈ることの素晴らしさや、友情、愛をテーマに描かれた動画が、人々の心をわしづかみにし、11月6日の公開から、わずか2週間あまりで再生回数が1670万回を突破。AdAgeでも注目の広告として週間ランキング首位にランクインした。

実は、モンティの活躍の場は、CMだけではない。ジョン・ルイスは今年、「Monty’s Christmas」と題して、CMの世界観を軸とした多様なコミュニケーション施策を展開している。すでに3万人以上のフォロワーが付いている公式ツイッターアカウントの運営や、モンティの世界をより深く知ることができるインタラクティブ機能付きの電子絵本「Monty’s Christmas Book」の無料配信、オックスフォード店にオープンしている入場無料のイベントスペース「Monty’s WinterGarden」など…。さらには、関連商品も展開中で、モンティのイラストをデザインしたTシャツやマグカップ、ぬいぐるみのほか、モンティの世界をヴァーチャル・リアリティで体験できるゴーグル「Monty’s Goggles」をサムスンと共同で開発した。

リアル/デジタルと様々なチャネルでモンティに触れてもらうことで、ジョン・ルイスに対する顧客ロイヤリティを高め、来店につなげることを狙う。

ジョン・ルイス公式サイトの、クリスマス特設ページ。モンティ一色。

次ページ 【事例2】へ続く