「2014年の広告業界を振り返る!」(前編)はこちら
オウンドメディアに必要なのはスキルよりもマインドセット
田端:オウンドメディアも今、企業の人たちが力を入れていますよね。これって、やる側の論理は分かるんだけれど、でも、「それって見る人、読む人は何が嬉しいんでしたっけ?」みたいな視点が欠けているような気がします。
谷口:そもそも、メディアのオーナーは怒られることを覚悟しないとできないですよね。「叱られる力」がオウンドメディアの編集長には必要だな、と。
田端:そういう意味で、企業の人たちがメディアを持てるようにはなったけれど、自らがメディアになる訓練はされていないかも。これって能力の問題ではなくて、マインドセットの問題というか。オウンドメディアと言う時に、「オウンド」という言葉の方に傾倒してしまっていて、本来大事な「メディア」の方に意識が向いていないのかも。
嶋:オウンドメディアを作るって、そう簡単ではないでしょ。矢面になる覚悟が必要。もう「マイボールメディア」とか、「当事者意識メディア」とか名前を変えたほうがいいですよ。
田端:メディアって、とにかく自分たちがやりたいからやっているみたいな情熱がないと続かないですよね。
谷口:オウンドメディアは、好きなことをやるというのがモットーの「デイリーポータルZ」を見習った方がいいですね。あれもニフティのオウンドメディアですし。
田端:オウンドメディアを始める時には、支持してくれるユーザーを人質にとって、経営陣と抜き差しするくらいの覚悟がないと駄目なんじゃないかな。
本田:メディアを持つって、ジャーナリズムを社内に取り入れるということだから、本当は相当な覚悟がいるはずですよね。実はアーンドメディアの方が、相手側に委ねてしまえる分、オウンドメディアよりも覚悟はいらないのかも。
田端:ジャーナリズムがなくとも、サントリーの「カクテルデータベース」みたいな役に立つソリューションに徹するという方向性はあると思います。
嶋:確かに、レシピとか使ってもらえる系はありますね。
本田:使ってもらえる系もありだとは思いますが、これからはよりアクティブに発信していく方がよいと思います。編集長がポリシーを持って発信するとリスクは付きまといますが、そうでなければ読者のロイヤリティは獲得できないんじゃないか、と。
田端:メディアってコンテンツの中身も大事ではあるけれど、特にネットの場合には「誰が」発信しているかの方が、大事になってきたりしますから。
嶋:ソーシャルメディアがある時代だから、何かあればすぐに叩かれる。「当事者意識」は、広告のクリエイターであっても必要になってきていると思いますよ。
田端:でも企業の宣伝部とか普通の会社勤めをしている人にまで、「覚悟を持て」「当事者意識を持て」というのは、ちょっと酷な気がするのもわかります。
でも厳しい言い方ですけど、人事のローテーションでたまたま宣伝の仕事をしていますという人は、存在意義はなくなっているように思います。その会社の社員でい続けることよりも、宣伝のプロになることを選べる人じゃないと、これからの時代は難しいんじゃないか、と。
新着CM
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
マーケティング
『ドラクエウォーク』は「YouTube」で高Imp 週あたり利用時間も長い…米調...
-
広告ビジネス・メディア
日テレ、イオンモールで「没入型CM」実験 次世代広告メディアとして展開目指す
-
AD
広告ビジネス・メディア
大阪万博に向かう車両全体をラッピング「まるごとジャック」でSNSでの拡散に期待
-
マーケティング (コラム)
詐欺広告より恐ろしいMFAサイトを深掘りすると、コタツ記事との違いがわからなくな...
-
クリエイティブ
ピザハット、ブランドメッセージ刷新 割引訴求の“販促型広告”から脱却
-
販売促進
森永製菓「アイスボックス割」ドリンク販売 日向坂46出演CMの衣装も展示
-
クリエイティブ
予定調和より、クレイジーな挑戦を――2023ACC賞審査委員長が語る
-
特集
はじめに/あとがき/解説でざっくりわかる 宣伝会議のこの本、どんな本?